三重県四日市市にある社会福祉法人の風薫会と桜コミュニティが4月27日、災害時連携協定を結んだ。大規模災害や新型コロナのような感染症の大流行が起きた時、ひとつの福祉施設でできることには限界があり、同じ目的を持つ仲間として協力していこうというねらい。四日市市では先駆的な試みといい、さらに連携の輪を広げたいという。【連携協定に調印した風薫会の大橋秀行理事長(右)と桜コミュニティの平子郁夫理事長=四日市市鵜の森1丁目】
調印式がこの日、四日市市鵜の森1丁目のユマニテクプラザであり、風薫会の大橋秀行理事長、桜コミュニティの平子郁夫理事長ら関係者が出席した。協定は11条からなり、災害時に必要な職員を派遣したり、食料や飲料水など生活必需品や施設機能を維持するために必要な資機材や物資などの支援をしたりすることなどを定めている。
調印後のあいさつで、大橋理事長は「コロナ感染拡大では施設でも感染者が出て、職員が不足するような状態も起きた。南海トラフのような災害にも備える必要があり、信頼できるパートナーがいるということは大変心強い」、平子理事長も「南海トラフはいつあってもおかしくない状況だが、その場合、わが施設だけでできることには限界がある。先駆け的な協定を交わすことができ、よき連携になることを期待している」と話した。
調印式には、風薫会をグループにもつ大橋学園グループの大橋正行会長が来賓として出席。過去に大雨があって電車が動かなくなった時、学校に生徒を宿泊させた自らの体験を紹介し、「対処できる機能は私たちにはあるが、日ごろから、その機能を、いざという場合にどう使うかを準備しておくことが大事だ。そして、連携をぜひ広げていってほしい」とあいさつした。
両法人は今後、合同訓練の実施など、実際に何ができるかをプロジェクトチームをつくるなどして検討し、連携を具体化していくという。(調印式に出席したみなさん)