5月のG7広島サミット、6月のG7三重・伊勢志摩交通大臣会合をにらみ、「大規模集客施設と連携したテロ対策合同訓練」が4月18日、三重県四日市市の近鉄百貨店四日市店で行われた。四日市南署によると、県内の百貨店でこの種の訓練が行われるのは初めてといい、不審者発見の110番通報や客の避難誘導など、店側にも大きな経験となった様子だ。【訓練で不審者の行く手を阻む百貨店の従業員や警備員ら=四日市市諏訪町】
店舗2階で刃物を持った男がうろついている想定で、従業員が警備室と110番に通報。男の服装や様子などを電話で伝えた。店側は館内放送で客の安全確保や避難の誘導を伝え、従業員と警備員が手近なものを手に男の行く手を阻み、最後は、駆け付けた四日市南署員が男を取り押さえた。(駆け付けた四日市南署員が刃物男と向き合う)
訓練は開店前の時間を利用して行われたが、不審な男に扮した署員の演技が真に迫り、見守る従業員も緊張気味。店の場所は、常に多くの人が出入りする近鉄四日市駅に隣接しており、和歌山市・雑賀崎漁港で爆発物事件があったばかりでもあり、真剣みのある訓練になった。
藤井淳夫署長は講評で「とっさの判断のため、体で覚えることが大切。訓練で見つかった課題をアップデートしていくことも重要です」と話した。百貨店の速水正明店長は「火災や地震の訓練は定期的にしているが、今回のような内容は初めて。参加した人はほかの人に内容を伝えてほしい。きょうは合同訓練でしたが、店内独自の訓練もしていければと思います」と話していた。