四日市市立博物館は、4月から始まるNHKの連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルとなった植物学者・牧野富太郎博士(1862~1957)と四日市のかかわりを知ることができる資料などの特別陳列展「牧野富太郎が見た四日市~120年の時を超えた植物標本~」を、同館3階の白里亭とロビーで開催している。5月7日(日)まで。【「牧野富太郎先生命名」のゴム印が押された標本などが展示された資料などをみる来館者=四日市市安島】
同館によると、高知県出身の牧野博士は判明しているだけでも8回は、四日市を訪れていたそうで、国の天然記念物に指定されているイヌナシとアイナシの市内の自生地や垂坂山を訪れたという行動録が残っているという。特別陳列で展示されている植物標本は、同館所蔵のもので、楠交流会館より移管され、修復を終えた約120年前のもの。明治時代に四日市市内の小学校に勤務していた今井粂蔵氏が採集・製作した標本は、種の同定を牧野博士に依頼したものが多いという。また、文化庁の許可を取り、天然記念物指定100周年に合わせたイヌナシとアイナシの標本も職員が製作、初公開されている。
高知県立牧野植物園の協力を得て、牧野博士の写真や牧野式植物図のパネルなどロビーに、標本などは白里亭に展示。標本には「牧野富太郎先生命名」という印があり、四日市市内で採集された標本に牧野博士が関わっていたことが分かる。
開館時間は午前9時半から午後5時で、入場無料。休館日は月曜で、祝休日の場合は翌平日。ただし5月1日(月)は開館する。問い合わせは同館TEL059‐355‐2700へ。