三重県四日市市の市立山手中学校と地域が、優れたコミュニティ・スクール活動を続けていると評価され、文部科学大臣表彰を受けた。2月15日、関係者が森智広市長を表敬訪問して報告した。山手中は市内指折りの生徒数の大きな中学校だが、保護者や地域住民が「子どもたちを地域で育てる」という目的意識を共有し、父母や学校、地域団体の担当者が代わっても、レベルを落とさない活動を続けているという。【森智広市長に表彰の報告をした長谷川仁志さん、山下英樹校長、廣瀬琢也教育長(左から)=四日市市役所】
文科省の表彰は「コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進」。 コミュニティ・スクールは、学校運営協議会の制度を導入し、学校と保護者や地域住民らが力を合わせ、子どもたちのより良い環境づくりに取り組む仕組みで、山手中学校と保護者や地域住民らの協力が優れていると評価された。
森市長の表敬には、山手中学校の山下英樹校長と、地域の活動の先頭に立ってきた同中学校コミュニティー・スクール学校運営協議会の長谷川仁志委員長が訪れた。廣瀬琢也教育長らが森市長とともに2人を迎えた。森市長は「大きな学校で地域とつなぐのは難しさもあったでしょう。うれしく思います」などとお祝いの言葉をかけた。
山手中学校では、20年以上前から地域の人たちが学校、子どもたちと一緒に活動できる清掃活動(現在は「クリーン大作戦」)などに取り組むなど、活動の芽を育て、引き継いでいた。2011年度には市内の小中学校の先頭集団に入る早さで市のコミュニティー・スクールにも指定された。
今では、「クリーン大作戦」のほか、子どもたちが障害者や高齢者とふれあい、人の苦労などに気づく経験ができる「福祉体験教室」、災害が起きたときの備えを実際の防災備品を使って考える「地区防災教室」なども開催している。
山下校長は「朝の登校の見守りをしている地域の方から、『中学生があいさつをしてくれる』『横断歩道の小学生を先に渡らせようと止まってくれる中学生が増えた』などの言葉を聞くようになりました。これも活動の効果なのかなとうれしく思いました」。PTAのおやじの会の活動もしていたという長谷川さんは「子どもたちから『大人になったら、いつか、ここに戻ってきたい』と聞くのがうれしいし、そういう目標にもっていけたら最高だと思います」と話していた。