着物にあらたな命を込めて、四日市市楠歴史民俗資料館で「古布で遊ぶ展」

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 三重県の四日市市楠歴史民俗資料館で2月1日、「古布で遊ぶ展」が始まった。骨董市で見つけた着物の柄の美しさにひかれた主婦が、古い布に新しい命を吹き込んだ12点のタペストリーとうさぎのひな人形など、大小約80点を展示している。28日まで、入場無料。【着物の古布を活かしたタペストリーやうさぎのひな人形などが並ぶ=四日市市楠町本郷】

 展示したのは四日市市羽津山町の宮崎かおるさん(72)。若い時から手芸や編み物が大好きだったが、10年ほど前、たまたま市内で開かれている骨董市できれいな着物が安い値段で売られているのを見て、「こんなにきれいな柄がそのままになってしまうのはもったいない」と買ったのが始まりだった。

 生地を見ていると、アイデアが沸いてきた。着物の柄そのものを1枚の絵のように作品にしたり、ほかの布の柄と合わせて縫い合わせたり、手のこんだタペストリーにするようになった。5年ほど前から資料館で年1回の展示をするようになり、昨年は、「鳥啼歌(とりなくうた)」「いろは歌」の文字をパソコンから取り込んだ文字の形で縫い込んだ作品「いろは歌」を四日市市美術展に応募したところ、工芸部門で四日市市文化協会賞を受賞した。娘さんが七五三で着た着物でつくったという、思い出につながる作品もある。(四日市市美術展で受賞した「いろは歌」)

 今回の展示は、この1年につくってきたものを中心にした作品で、タペストリーのほか、様々な人形や古布の折り鶴、バッグなども展示している。月曜日(祝休日の場合は翌平日)が休館。