三重県四日市市大矢知町のくるべ古代歴史公園、同古代歴史館などで11月13日、歴史に親しむ「久留倍官衙(くるべかんが)遺跡まつり」が開かれた。あいにくの雨だったが、熱心な参加者が集まり、壬申の乱から1350年を記念する企画展の解説会はぎっしり。古代の正殿や八脚門(復元)がある公園では、傘をさしながら音楽の演奏を聴いた。【古代歴史の舞台だった公園で傘をさして音楽を聴く参加者たち=四日市市大矢知町】
久留倍官衙遺跡は、飛鳥から平安時代にかけて古代朝明郡の役所があったとされる場所で、皇位継承をめぐる古代最大の内乱「壬申の乱」の勝者、天武天皇(大海人皇子)とのつながりが指摘されている。
まつりでは、午前を中心に、大海人皇子が天照大神を拝んで戦勝祈願をしたとされる三重県史跡の御遥拝所跡や、朝明郡の豪族の祖先神をまつる耳常神社などを巡る約4キロのウォーキングがあり、約70人が歩いた。午後は、12月4日まで歴史館で開催中の企画展や歴史公園内の施設を学芸員やボランティアが解説する会があり、展示室は約50人の参加者でいっぱいになった。
最後に、歴史公園の正殿前広場で遺跡コンサート「音楽で巡る いにしえの旅」があり、大分県竹田市出身で現在は名古屋や九州などで活動している西みほさん(ボーカル)が、山下力哉さん(キーボード)、牛丸健司さん(ギター)と組んだ「ユニット西組」が演奏した。雨は時々強くなったが、参加者は傘をさしていすに座り、「もみじ」などの日本の歌曲、ヘンデル作曲のアリア「オンブラ・マイ・フ」など、クラシックからポピュラーまでの透明な歌声に聴き入った。