青空に恵まれた10月30日、三重県四日市市では各地で青空マルシェや音楽演奏会などのイベントが開かれ、にぎわった。市街地の諏訪栄町では四日市商工会議所青年部(YEG)による初の「YEGまちなかマルシェ」があり、商店街のアーケードに大勢の人を呼びこんだ。市西部の高花平地区では新形式での秋まつりが開催され、高花平団地の60周年もお祝いした。【日永うちわの制作もできた「YEGまちなかマルシェ」の体験ブース=四日市市諏訪栄町】
「YEGまちなかマルシェ」は、コロナ禍で失われたにぎわいを取り戻そうと、若い経営者ら約110人でつくる同青年部が企画した。約40店のマルシェでは、行列ができたり、早々と売れ切れたりの盛況ぶり。青年部で地域活性委員会の委員長を務める岩瀧太郎さんは「準備段階から周辺のみなさんも協力的で、多くの人に来ていただき、大成功だと思っています」と話した。
いくつかの体験ブースの中には、県指定伝統工芸品の「日永うちわ」の制作もあり、今ではここだけがつくっている株式会社稲藤の5代目社長、稲垣雄介さんが自ら指導。子どもたちも伝統工芸に親しんだ。
高花平地区秋まつりは、高花平2丁目のスーパー駐車場などを借りてステージ会場をつくり、計3カ所でキッチンカーなどのマルシェを開いた。これまで文化祭会場にしてきた学校が建て替え工事に入り、少子高齢化に負けないにぎわいづくりにと、新たな秋まつり形式に挑戦したという。四日市のコンビナートの成立とともに、県内では最も早くできて歩んできた大規模団地のひとつといい、こどもみこし、若者たちの太鼓演奏などで団地60年の歴史もお祝いした。
四日市市高浜町の市立橋北中学校では、地域の人らが橋北マルシェ、橋北ミュージックフェスなどを開いた。橋北地区市民センターと同地区文化事業実行委員会の主催。グラウンドでは、手作りの店などがテントで並び、焼き菓子やプリンなどを扱う店では、昼前にはほぼ完売になったという。体育館では地元のビッグバンドが演奏、校庭の一角には東京五輪で注目を集めたスポーツクライミングの会場も設置され、子どもも果敢に挑戦していた。