生でも甘くて おいしいニンジン

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すぎやまファーム 杉山和広さん

 ニンジンやコメなどを育てる四日市の農家「すぎやまファーム」の杉山和広さん(43)。菰野町下村の農地で、土地や気候に適した品種のニンジンを栽培している。
 13年前、農業に従事していた同居の義父が病に倒れた。その際、廃業を考えたそうだが、当時、農機具の会社に勤めていた杉山さんは、一緒に続けることを決意。第一子が生まれたばかりで「やるからには成功させたい」と意欲を燃やした。農地が菰野町や鈴鹿市にもあり、効率化が課題だった。農機具の導入を義父に持ち掛け、意見が合わないこともあったが、二人三脚で続けてきた。
 ニンジンは掘り起こすまで成長具合が分からず葉物野菜より育てるのが難しいという。8月に種を播くが、ゲリラ豪雨で種が流されることも。減反のため田んぼで栽培するが、排水性が悪く、畝(うね)を高くし水はけをよくする。様々な品種を育て試行錯誤し、今は「向陽2号」に落ち着いた。化学肥料や農薬の使用を抑え、機械で除草する。こうした取り組みで「みえの安心食材」に認定され、1月から3月までJAの直売所「四季菜」などで販売している。
 4人の子の父である杉山さんは子育て中心の生活を送る。出荷前には、子どもたちが袋詰めを手伝うこともある。家族で和気あいあいと作業し、楽しそうに働く父の背中を見せる。ひびが入ったニンジンも隠さず見えるように袋詰めし、買ってくれる人への配慮も忘れない。杉山さんが育てるニンジンは生で食べても甘くて美味しいが、さらなる品質向上を目指し、奮闘している。

*ニンジンを使ったレシピ紹介*