四日市大学(四日市市萱生町)の学生がアイデアを出し、グリーンモール商店街(同諏訪栄町)にあるからくり人形の「中入道」をモチーフにした菓子を作るプロジェクトが始まった。吉本興業の地域の活性化や地域発信を目的としたプロジェクトの一環で、同商店街にある障害者事業所「伊勢おやき本舗」で製造し、高齢者施設での販売を予定している。【中入道の前で記念写真を撮る学生ら=四日市市諏訪栄町で】
四日市市出身で、名古屋よしもと所属の漫才コンビ「オレンジ」の田中哲也さんが、昨年吉本興業のプロジェクト「三重県住みます芸人」に就任。中入道をシンボルにして、商店街の活性化を図ろうと、「中入道のおやつ」を作ることを考えた。同大の松井真理子教授のゼミが四日市土産としてサブレを発案し、販売していることを知り、松井教授に協力を依頼した。
松井教授のゼミでは「SDGs」をテーマにした活動をしており、「誰一人取り残さないお菓子」として、高齢者向けの商品を開発することになった。のどに詰まらず、誤嚥もしにくいものとして、志摩市出身の東山雅幸さん(2年)があおさババロアの試作を提案。他の意見も取り入れ伊勢おやき本舗で、フルーツゼリー、抹茶ババロア、プレーンババロアも試作しゼミ生が試食した。
学生の意見を参考に、味の改良などを行い、商品名を決め、3月の完成を目指す。商品のパッケージのデザインは県立四日市商業高校(同尾平町)の生徒に依頼し高齢者施設で販売する。松井教授は「高齢者のために大学生がアイデアを出し、障がいのある人が製造する意義のあるチャレンジ。異世代交流や地域活性化につながれば」と話していた。