無添加や減農薬などこだわりの食材を使った「おむすび」を提供する四日市市山城町の「結家(むすびや)」の店主。9月28日に開店したばかりの店舗は、夫の啓さん(37)が営む加藤建築が手掛け、土の温かさ、木のぬくもりを感じる空間だ。
これまでに飲食業はほぼ未経験。友人からは「え、あなたがするの」と驚かれたが、「行くからね、楽しみ」という期待も。コロナ禍で今まで以上に健康への興味が高まっているように感じていた。「体に良いものを食べてほしい」と食材は無添加や減農薬にこだわった。生産者の顔が見たいと食材仕入先に足を運ぶなど、これまで経験したことない仕事に戸惑いながらも、思いの強さが前に進む原動力となった。
今まで家族に作ってきた「おむすび」という身近な存在。店で提供するため、試行錯誤を重ねる度、苦労もあるが奥深さに感動を覚えた。「具として使う食材はもちろん、握り方、一つひとつの過程が本当に大事」、米は店内の「おくどさん」で炊く。釜めしや卵かけごはん、豚汁などもメニューにそろう。
建物内はボンドなども使わず、自然の良さを存分に引き出した雰囲気。職人の技術、思いが随所に込められている。
将来的には、店舗敷地内で催しを開く構想もあるそうで、「建物にも思いがこもっています。店づくりに関わってくれた方々の思いも一緒に一つひとつのおむすびの中に込めていきたい」と加藤さんは語った。
店の営業で多忙な一方、3男1女の母でもある。元気いっぱいの子どもたちに「ちょっと静かにしてと思うこともあるけど、やっぱり元気が一番」と笑顔で語った。
(2021年10月9日発行 YOUよっかいち第200号掲載記事)