「絵本に興味を持つ大人増えて」 メリーゴーランド店主の増田さん

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 お薦め絵本を紹介するコーナー「えほんだいすき」をYOU紙面で連載している「子どもの本専門店メリーゴーランド」(四日市市松本3)店主の増田喜昭さん(69)がこのほど、自身が気に入った絵本を紹介する書籍「えほん・絵本・134冊」(学研教育みらい)を出版した。「絵本に興味を持つ大人が増えたらうれしい」と期待を込めて話す。【書籍を手に「お気に入りの1冊を見つけて」と話す増田さん=四日市市松本3で】

 仙台市で子どものアトリエなどを主宰し、「30年来の友人」という新田新一郎さん(64)が、「増田さんが本気で絵本トークする本を作りたい」と持ち掛けたのをきっかけに、新田さんが編集を引き受け、約3年がかりで完成させた。

 同店を始めて44年になる増田さんが絵本を選ぶ基準は「絵」だ。「字が読めない幼児は、絵の細部まで見る力がある。本物を子どもに見せたい」という思いを大切にし、「大人自身が面白いと思う絵本を選ぶべき。自分がおいしかったものを子どもにも食べさせたい、と思うのと同じ」と力説する。

 「生きているって毎日が冒険」「ナンセンスはすごい」など、独特な切り口で付けた18のテーマに分けて紹介。中でも、夜が明けていく湖に老人と孫がボートで漕ぎ出す様子を描いた「よあけ」(ユリー・シュルヴィッツ作・画、瀬田貞二訳)という作品は「言葉も絵も完成されていて、何度読んでも心がしんとなる」と評する。

 更に、親交のある詩人・谷川俊太郎さんら4人の作家との対談や、2年前に閉店した児童書専門店「メルヘンハウス」(名古屋市)の三輪哲さんら「子どもの本専門店」の店主3人によるトークも収録され、その中でも本編とは別に30冊を紹介。子どもの本屋でしか出会えないエピソードが興味深く語られている。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、家で過ごすことが多い今こそ「大人と子どもが一緒に絵本を開いて、想像力をかき立てる旅に出てみては」と勧めている。書籍はB5判128ページで1800円(税別)。 問い合わせは同店TEL059-351-8226へ。