引き戸を開けると昭和のプラモデルが積み上げられ、かつて薬局の軒先に必ずあったカエルやゾウのキャラクターが出迎える。昭和100年の今年、元鑑定士の川島誠司さん(40)が1年かけてDIYした古民家を昭和レトロ喫茶として開店した「ちょま屋」(三重県菰野町下村)が「大人の駄菓子屋」としてじわじわ人気を集めている。
◆昭和にタイムスリップしたような空間
気に入るサイズやデザインを求めて各地のリサイクルショップや家具店を回って調度類を揃えた。ウルトラマンやスーパー戦隊シリーズの懐かしいソフトビニール人形(ソフビ)や各種プラモデル、旧型の扇風機やパチンコ、雑貨に駄菓子――。店内にはタイムスリップしたような昭和の空気が漂う。2階の女の子用おもちゃの部屋や、秘密の屋根裏部屋にも川島さんのこだわりがあふれる。

【レトロなおもちゃがズラリ、調度類にもこだわった】
◆模型作りの経験生かしてDIY
子どもの頃から筋金入りのプラモデル好き。就職し、趣味に使える金額が増えると収集に拍車がかかり、いつしか自宅の1部屋が埋め尽くされた。コレクションの倉庫にと購入した築50年超の民家を、どうせなら多くの人と一緒に楽しもうとコンセプトカフェにすることに決めた。
庭木の伐採に始まり、壁や畳の解体撤去や張り替えなど、電気・水回りといった資格のいる作業以外はYouTubeを頼りにたった1人でやり遂げた。「模型を作れる人は家も作れる」と冗談交じりに笑う。

【川島さん特製の「昭和ガチャ」】
◆「ここは大人の駄菓子屋・隠れ家・秘密基地」
ナポリタン・ピラフ・ピザトーストといった昔ながらの喫茶メニューに加え、好きな駄菓子カゴ1杯と飲み物のセットを考案。サイダーやラムネはビンで提供する。
「ここは大人の駄菓子屋・隠れ家・秘密基地。自分のおもちゃを自慢するもよし、店主のおもちゃと交換もOK、思い出話も歓迎」。「ガチ」のレトロ好きを迎えるために、川島さんは本気で用意した昭和空間で待っている。

【好きな駄菓子を選ぶ楽しみも】
川島さんは、インスタグラム(https://www.instagram.com/cafe_chomaya/)で常時情報を発信している。