国際物流ターミナルの整備推進、展望展示室リニューアルも、四日市港管理組合が当初予算発表

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【国際物流ターミナルの整備などの当初予算が発表された四日市港(四日市港管理組合提供)】

 三重県の四日市港管理組合は3月19日、2025年度当初予算を発表した。一般会計は65億1812万円で前年度比1.8%増、港湾整備事業特別会計は46億2109万1000円で同42.1%増となった。特別会計の伸びは、ひき船建造費や港湾改修費の増加などが要因になったという。

 一般会計は、国の事業の進捗により、国直轄事業負担金が1憶6550万円減少、一方で、岸壁の予防保全など国補公共事業が3億2697万円増加するという。特別会計は、引き船建造費5億1917万8000円と、霞ヶ浦地区北ふ頭81号耐震強化岸壁の背後の用地整備費用などで港湾施設改修費が6億7000万円、それぞれ増加することがおもな理由という。

 柱となる事業では、コンテナ貨物や船舶の大型化、完成自動車の増加が見込まれる貨物取扱量への対応、大規模地震発生時に海上輸送を可能にする強靭化などのため、霞ヶ浦地区北ふ頭に新たな国際物流ターミナルを整備する。伊勢湾台風直後に整備され、耐震性不足で浸水被害が懸念される石原・塩浜地区の海岸保全施設の改良を行う。東防波堤も供用から60年以上経過したため、予防保全を行う。これらの事業に、当初予算では9億5000万円の負担分を見込んでいるという。

 四日市港の利用拡大策では、荷主企業へ優遇策となるよう、四日市港利用支援事業補助金を拡充する。新規にコンテナ貨物を取り扱う荷主企業に、20フィートコンテナ1個(1TEU)あたり最大50000円(昨年度比25000円プラス)、上限額300万円(同100万円プラス)とするなど、利用促進を図る。当初予算には1億円を見込んでいる。

 小中学生の社会見学や貿易関係者の視察などで年間5万人を超す人が訪れている展望展示室の「うみてらす14」は、開館から25年以上が経過しているため、展示物や施設をリニューアルする。当初予算には基本構想策定のための458万7000円を盛り込んだ。2028年度当初にリニューアルオープンさせたい考えという。

 現有ひき船「ちとせ丸」が老朽化したことに伴う新造船は、2026年3月の完成をめざし、建造を進める。当初予算には7億9035万円が盛り込まれた。植物由来の使用済み食用油などを原料にする「バイオディーゼル燃料」を使用できるようにし、温室効果ガスの低減にも取り組むという。

 このほか、新規事業などでは、現行の紙による入札をデジタル化して入札参加者と港管理組合の双方の業務効率化を図る電子入札システム導入(935万3000円)▽霞ヶ浦地区臨港道路(霞4号幹線等)での暴走車両対策のため、バリケードを設置する(1000万円)費用も盛り込んだ。

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