三重県四日市市の「四日市公害と環境未来館」で3月18日、「知事と市長の円卓対話」が開かれ、一見勝之知事と森智広市長が意見を交わした。森市長はJR四日市駅前の新大学構想に県の参画を求めたほか、今春開校する夜間中学の分校を四日市に置けないかと提案した。
対話に先立ち、森市長はリニューアルオープンしたばかりの会場前の市民公園と、公園から見える中央通り再編事業の先行整備区間を一見知事に見せ、説明した。
対話では、森市長が、現在取り組んでいる新大学設置計画を紹介した。希望者を受け入れられる大学が県内には少なく、多くの若者が流出している現状を図などで説明し、県を支える四日市の産業を持続させるために、理工系学部のある大学をつくり、企業との結びつきをつくるなかで、そこで学び、地域に根付き、世界にも羽ばたく人材を供給できるようにしたいと意図を解説した。
そのうえで、新大学の設置主体となる「国立、公立、私立」の連携の中に三重県も参画してほしいと求め、「新大学の基本計画が新年度の早い段階でできるよう努力しており、その時には、あらためてお願いしたいと思っている」と話した。

一見知事は、県立大学の設置を2年前に断念したことを挙げ、投資に反し学生の地元への定着が見込めなかった現状を話した。一方で、企業が集積している四日市で、港から中央通りを結ぶ中にあるJR四日市駅前で新大学をつくる計画は期待できる内容だとして、「参画の判断がどんな形であったら可能なのか、四日市の方で、ある程度の形がつくっていただけたら、最大限、検討したいと思う」などと話した。

森市長は、四日市市に住む外国人や、全国的に増えている不登校の人が学べる場の必要性に触れ、春に開校する県立夜間中学校「みえ四葉ケ咲中学校」について、四日市などの北勢地域に分校を設けてほしいと提案した。
一見知事は、全国の14の県が夜間中学を設置する方向で、おおむね、人口150万人あたりに1校の割合で建てており、三重県も170万人に1校で始めること、財政力などから、いったんこの状況で様子を見ようとしていることを説明した。
そのうえで、和歌山では県と市で二校つくろうとしており、四日市など、どこかの市がつくるなら最大限の努力をしたいとも話した。森市長は、当面、体験学習ができる「まなみえ」を続け、開校の日数など少しでも拡充したいとも提案し、一見知事は「まなみえ」のあり方も相談したいと応じた。
