新図書館の建設早く、市民グループが四日市市長に提言、市議会各派にも文書配る

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【森智広市長(手前)に思いを伝える日下由紀子代表(右)=四日市市諏訪町】

 「市民の意見が反映される図書館を」と活動しているライブラリーフレンズ四日市(日下由紀子代表)が3月11日、三重県四日市市の森智広市長に「新図書館の建設場所を早く決めて建設してほしい」との思いをまとめた「新図書館の整備について(提言)」を提出した。近鉄四日市駅前での計画が撤回された後、市役所北が有力候補地として挙げられたものの、今も議会では意見続出で、このままでは市民の間の新図書館への興味や関心が薄れてしまうと訴えている。

 日下代表ら5人が市役所を訪れ、文書を森市長に手渡した。これまで何年もかけ、高校生など若い世代を含め、ワークショップなどで、どんな図書館にしたいか、市民の意見を集めてきた。日下代表は「早く図書館の中身について議論したいのが本音で、建設場所もなかなか決まらない現状に、メンバーの間にも疲労感が出て来ている」という。

 今回の提言では、市役所北の場所について、「駐車場の確保ができ、近鉄やJRの駅から歩いて行ける距離で、せっかくこの候補地があるのだから、それぞれの想いはあることは理解しつつも、この場所をどう生かすかを積極的に考えていくべきではないか」などと訴えている。これまでの活動では、図書館の中身の議論をする一方、建設場所については特定の場所を前面に出してきておらず、初めて踏み込んだ表明ともいえ、それだけ、なかなか進まない図書館計画に危機感を抱いた結果といえそうだ。

森智広市長に「提言」を手渡す日下由紀子代表

 市長への提言では、常磐中学3年の中谷陽佑さん、海星高校3年の岡野さやさんの若い世代2人も同席。岡野さんは「私は大学進学で県外に出ますが、将来は四日市に戻りたい。魅力的な図書館があれば、戻ってきたいと思う友人たちも多いと思う」などと話した。

 森市長は文書を受け、「みなさんに来ていただくと、実現に至っておらず、いつも申し訳なく思う。積み上げられてきた声を形にしなければいけないと思っており、町のシンボルとなり、できてよかったと思ってもらえる図書館を少しでも早く実現させたい」などと話した。ライブラリーフレンズ四日市は、新図書館への思いを市議会にも伝えたいと、市長提言のあと、同じ文書を市議会の各派にも届けた。

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