「こども四日市」は、毎年11月に三重県四日市市の諏訪公園とその周辺で開かれる「こどもがつくるこどものまち」イベント。年間を通して宿泊イベントや、工作・お菓子作りなど多彩なワークショップを開催している。この春、こども四日市のワークショップに新たな風が吹くという情報をキャッチした。
◆世代交代を視野に OBが手掛けるWS始動
プロジェクトリーダーの小林渚さん(54)が主導し、すわ公園交流館を会場に年間9回開いている同ワークショップ。2025年の予定には、定番の「ダンボール基地」や「プチケーキ」に加え、新たな講座がお目見えしている。
3月9日(日)開催の「はじめてのえんげき」を手掛けるのは、小学生時代からこども四日市に親しみ、現在は「Gold市民会議」と呼ばれる同実行委員会で活動する星野洸也さん(19)、小原綾さん(18)、圡屋有彩さん(18)。2023年に「こども四日市演劇部」を立ち上げ、同年と翌24年11月のこども四日市で、小学生をうまく巻き込みミニ舞台を創作披露した3人の実績を見込んだ小林さんが提案し、企画が進んだ。「僕がプロジェクトリーダーに就任して15年。次世代の活躍に期待している」。

【2月に行われた「はじめてのえんげき」お試し版で盛り上がる小原さんらと小学生=小林さん提供】
◆三者三様の演劇経験を生かして
「高校演劇を通じておもしろさを知り、こども四日市でも演劇をしたいと思った」と話すのは、県立四日市南高校で演劇部だった星野さん。コロナ禍で休止していたこども四日市が2022年に再開した時から「こども四日市市民が発表できる舞台がほしい」と提言してきた。
小原さんは、小中学校時代、地元の児童劇団に所属。中3の時、三重とこわか国体(コロナ禍で中止)の式典演技で少年探偵団団員役に抜擢されたほか、市文化会館制作のミュージカル「回転木馬」に出演した経歴の持ち主。「自分の感情を役に乗せて表現する楽しさを子どもたちに知ってもらいたい」と語る。
圡屋さんの初舞台は4歳。小学校低学年までは児童劇団で、以降は県内のワークショップやその発表公演などに出演し、長く緩やかに活動を続けてきた。直近の舞台は、三重県文化会館の「なりかわり標本会議」(3月1、2日公演)。「物語の立ち上げ方や即興演劇など、培ってきた経験を役立てたい」。
【動画「はじめてのえんげき」お試し版で創作した作品=小林さん提供】
◆集まれ、子どもたち! OBだからこその思い
「はじめてのえんげき」ワークショップ当日は、自己紹介やグループワークを経て、「自分の宝物」についてのエピソードを演劇にして発表する。メンバーは「小さな演劇作品を創り上げる流れを一緒に楽しもう」と呼び掛けている。こども四日市で育った自分たちだからこそ、今の子どもたちに伝え、共有できる思いがある。2025年、OBによる新ワークショップの企画はさらに続く予定だ。

□「はじめてのえんげき」
□日時 3月9日(日) 午後1時〜同3時
□場所 すわ公園交流館(四日市市諏訪栄町)
□対象 小学生
□定員 10人程度
□料金 300円または300ヨー(こども四日市通貨)
□申し込み 同交流館TEL059・350・8411へ

【参加を呼び掛ける(左から)小原さん、小林さん、圡屋さん。県外の大学に在学中の星野さんはWS当日駆け付けるそうだ】