小さな店舗も備えはしっかり、四日市追分郵便局で防犯訓練

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【犯人役の女性署員の動きを、他局の女性職員たちも見守った=四日市市追分2丁目】

 三重県四日市市追分2丁目の四日市追分郵便局(種村佳知局長)で2月13日、金融機関を狙う強盗事件を想定した防犯訓練があった。職員の数が少ない小さな郵便局だからこそ、しっかり訓練をして備えようとの目的で、犯人の服装や人相を記憶したり、非常通報ボタンを押すなど、必要な動作を確認した。

 市南部の郵便局10局は、これまでは最も大きい四日市郵便局(沖の島町)を訓練会場にし、他局の職員は見学に行っていた。しかし、職員が少ない郵便局の方が、いざという場合は対応も大変。自分で体験して課題を見つけようと、小さな局でも訓練するようにしたという。

 犯人役は四日市南署の女性署員で、入店後、普通に記帳台で書類を書いていたが、窓口に立った途端に、液体の入ったペットボトルを取り出し、「火をつけるぞ、金を出せ」などと威嚇した。

 窓口の女性と種村局長が「金庫は2人いないと開かない」などと時間稼ぎをしながら、すきをみて、非常通報のボタンを押すなどした。金を奪って逃走しようとする犯人に、カラーボールも投げつけた。店内では、ほかの郵便局からの女性職員も来ており、メモを手に訓練を見守った。

 同署生活安全課の高山浩一係長が、対応した職員に犯人の服装や人相などを聞き、「落ち着いてよくできたと思います」と講評した。あらかじめ、暗号などを決めておき、いざという場合の店内でのやりとりに使うことも大切とのアドバイスもした。

 訓練には、日本郵便東海支社総務部の千賀俊彦さんも視察に来て、昨年、静岡県で2回、郵便局での強盗があったことを紹介した。非常通報も、とっさの場合は、押したつもりでボタンが押されていないこともあり、何度でも押すくらいの心構えを求めていた。

 高山係長の説明では、昨年の全国の金融機関店舗の強盗は11件で、3件が銀行、8件が郵便局だったという。金融機関強盗は全体としては減少傾向で、店舗での防犯訓練がよくされていることも一因とされているようだ。

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