清水洋(三代 醉月)さんの工芸技術が四日市市無形文化財に、萬古焼の装飾に新境地

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【制作をする清水洋(三代 醉月)さん=四日市市提供】

 三重県四日市市は2月12日、萬古焼の陶芸家、清水洋(三代 醉月)さん(80)による萬古焼(紫泥急須)を市指定無形文化財に指定し、清水さんをその工芸技術の保持者として認定した。市文化財保護審議会の答申を受けてのもので、指定の年月日は2月10日付という。

 市の資料によると、今回の工芸技術は、「還元焔焼成」により紫泥色に焼き上げられた萬古焼の器面に、研磨剤を高圧で吹き付けるサンドブラスト技法により紋様を削り出して装飾するもので、これまでの萬古焼の制作技法にはなかったものだという。

清水さんの「萬古焼紫泥急須」=四日市市提供

 この技法では、削る深さを調整することで、削る前の器面の色も含め3色を表現することができ、金彩やプラチナ彩と併せることで様々な紋様表現が可能になるといい、萬古焼の紋様表現に新境地を開く装飾技法であり、装飾の芸術性も高く、工芸史上特に重要な位置を占める、と評している。

 清水さんは「醉月陶苑」を構える。日本伝統工芸展のほか国内外の陶芸展などで入選など高位の賞を獲得、数々の団体からの文化賞を得ている。2016年のG7伊勢志摩サミットでの晩餐会で使われた酒杯を手がけたことでも知られる。

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