海星高校(三重県四日市市追分)の生徒が、牛乳を飲むと腹痛を起こす人でも飲みやすいといわれるA2ミルクを使用したドーナツを、市内のドーナツ店と開発した。バレンタインデー前日の2月13日午後1時から、イオンタウン四日市泊店で販売する。開発した生徒4人も店頭に立ち、接客する。
同校の国際数理コースの2年生は、地域振興をテーマにした授業で地域の生産者や企業などと協力して商品を開発している。昨年6月、佐野心彩さん、森絢里さん、萩琴未さん、近田開さんのグループが、「四日市の若い世代に刺さる」ものをと考え、「第5次ブーム」といわれる「映えるドーナツ」の開発を思い立った。
Z世代に人気のドーナツ店「Gimme Donuts」(四日市市鵜の森)に協力を依頼すると快く引き受けてくれたという。萩さんは「お店には年配の人も多く、老若男女に喜ばれるよう、見た目だけでなく品質も大事だと気づいた」と話す。
ドーナツの生地に使う牛乳は、市内の小中学校の給食の牛乳の生産している四日市酪農(四日市市黒田町)に依頼した。同社は2019年からA2ミルクの開発を行い、昨年から販売を始めた。生徒らは、同社のA2ミルクを試飲して美味しさに感動。乳製品などに含まれる乳糖を身体でうまく分解・吸収できなくて腹痛を起こす乳糖不耐症の人も「これなら安心してもらえる」と使うことにした。
見た目も華やかにしようと、イチゴをトッピング。猛暑で生育が遅れ、価格も高騰しており、当初予定したドーナツ1個400円で販売することが難しくなったという。先生に同校の卒業生が経営する桑名市の「のらくら農園」を紹介してもらったところ、生徒の気持ちが通じて、昨年の価格で売ってもらえることになった。佐野さんは「自然を相手にする農家の人の苦労を痛感した」と話す。
![ホワイトチョコ](https://www.you-yokkaichi.com/wp-content/uploads/2025/02/4d0093fe824b3f070c01790a9a2af804-scaled.jpg)
販売はイチゴの季節に合わせて2月と決め、バレンタインの季節でもあり、チョコをドーナツにかけることにし、ホワイトチョコとの2色で完成させた。近田さんは「イチゴの酸味と生地の甘味がマッチして、とても美味しくできた」とうれしそう。森さんは「食材を選ぶことや価格交渉などに快く協力してくれて、地域の人の温かさを感じた」と振り返った。
![チョコ茶色](https://www.you-yokkaichi.com/wp-content/uploads/2025/02/ffdfb65862b37636cead8e3de76e518c-scaled.jpg)