水素・アンモニア燃料10年後には形に? 四日市コンビナートのカーボンニュートラル

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【今後の議論の進め方などが話し合われた推進委員会=四日市商工会議所】

 第3回四日市コンビナートカーボンニュートラル化推進委員会が2月6日、三重県の四日市商工会議所であり、六つの部会での議論の報告や今後の進め方などが話し合われた。一見勝之知事は会議後の報道各社との質疑で、水素・アンモニア燃料について、「コンビナート内のパイプラインなどを含め、10年後には形になるのではないかという話も出ていた」と話した。

 委員会は、2022年度に前身の「四日市コンビナートカーボンニュートラル化に向けた検討委員会」で議論し、提示した2050年に向けたグランドデザインを受け、その実現のためにコンビナート企業や学識経験者、国、県、市、商工会議所などが議論している。ほぼ1年ぶりの開催で、これまでの部会の議論の内容などが紹介され、意見を交わした。

 意見交換の場は報道関係者には非公開で、会議終了後、一見知事と森智広市長が記者の質問に答えた。一見知事は「委員会の議論の内容は企業秘密も含んでいるが、専門家からも評価を得ており、ほかのコンビナートでも使えるような内容だ。秘密のままではもったいなく、発表できるような形にしてほしいと考えている」などと話した。

 二酸化炭素削減で期待される水素・アンモニア燃料については、「コンビナート内の企業間でどうやりとりするかなど、コストや年数は必要だが、実現させるうえでの課題は語られた」とし、「2030年には間に合わないが、10年後の2035年ごろには形になるのではないかとの話も出ていた」と話した。SAF(持続可能な航空燃料)については、原料となる廃油の回収や収集、需要について、検討を続けるという。

 今後の進め方では、六つの部会を「低炭素・省エネ部会」「GX戦略部会」「拠点化検討部会」(いずれも仮称)に再構築する方向。「低炭素・省エネ部会」は2030年までの短期を、その他の2部会は2030年以降の中長期をターゲットにして取り組むという。

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