新大学の基本計画策定は新年度にずれ込み、JR四日市駅前、大学建物の配置イメージも

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【JR四日市駅前の新大学のイメージ。中央通りから橋上駅舎のある自由通路へるながる行き来が想定されている】

 三重県四日市市は1月24日の市議会議員説明会で、JR四日市駅前に新設する大学の構想について、大学との協議の状況や、想定される工事期間などから、大学の設置主体や規模などを定める基本計画の策定が目標の今年度内は難しく、2025年度にずれ込む見通しだと説明した。駅前での大学の建物などの配置のイメージなども提示された。

 市によると、基本計画策定委員会での議論で、駅前整備と一体となった大学整備を進める場合、工事期間が想定を上回り、2029(令和11)年の開学予定が2031(同13)年となる見通しだという。開学は2年延長される見通しだ。協議先のひとつの三重大学は、四日市キャンパスをつくる場合、1学年100人程度の学生を想定すると考えているが、市側から三重大学にこの情報を提供し、三重大学でも今後の進め方を協議しているという。

新大学の構想について説明する四日市市の幹部ら

 四日市大学、四日市看護医療大学を有する暁学園については、JR四日市駅前への移転などについて、同学園としての方針決定を今年度中に予定していたという。しかし、国に申請している機能強化支援事業計画などを含む検討などから、今年度中の判断は難しいとの意向が市側に示されたという。

 また、名古屋圏の別の私立大学とも協議していたが、想定しているのはサテライトキャンパスで、市の方針と合わないことが分かり、誘致はしないことになったという。これらの状況から、大学の基本計画を年度内に策定するのは難しい状態だという。

 一方、基本計画策定委員会での議論では、めざす理工系学部は、多くの産業を支える「素材・半導体」の学びを主軸にし、新素材開発や社会実装の加速化などの効果が期待される、デジタル技術を活用するための「情報」について一体的に学ぶことができる内容をめざすことが議論されたという。

 JR四日市駅前での建物の配置イメージなども提示された。中央通り再編の延長上にある考え方「市民・学生・企業とをつなぐ、まちに開かれたニワミチキャンパス」を基本方針にした。JRの路線を東西に横断する懸け橋ともいえる「自由通路」が大学の空間を通して市役所、近鉄四日市駅方面への中央通りにつながる。

上から見たイメージ図。橋上駅舎のある自由通路の南が大学建物、中央に市民にも開かれた施設を設けている

 一般市民にも開放する予定の階段状の大学施設(講義室、図書館、ホール、産学連携スペース、商業施設など)を現在の駅前広場に設定し、駅前の地上広場、道路を渡って中央通りへとつながる。上空から見ると、橋上駅舎を設ける予定の自由通路の南半分に大学の建物が新設され、北側に現在のバス待ち場が移るようなイメージ図になっている。

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