三重県四日市市と富山県魚津市のアイザックグループが1月20日、災害時の廃棄物処理などで協定を結んだ。太平洋側の四日市市は、南海トラフなどの巨大地震があった場合に、日本海側で被害がないと思われる同グループから救援を受け、被災現場の復旧を進められる利点があると判断した。
市によると、最大級の震災被害があった場合、市内では約400万トンもの災害廃棄物が発生すると想定されているという。木材など市内や県内でも処理できるものもあるが、コンビナートがある状況を考えると、化学薬品に汚染された廃棄物が発生することも予想される。アイザックグループでは、特にこうした処理にも実績があるといい、市にとって心強い協定相手になるという。
この日、四日市市役所で協定締結式があり、森智広市長、株式会社アイザックと同アイザック・オールの石﨑大善代表取締役社長、同アイザック・トランスポートの北山英人代表取締役らが出席。市とグループ3社との間で「災害時における災害廃棄物の処理等に関する協定」、市とアイザックとの間で「災害時における物資の供給に関する協定」を締結した。石﨑社長によると、富山県外の自治体とこうした協定を結ぶのは同社では初めてという。四日市市は2024年4月に富山市の富山環境整備とも協定を結んでいる。
森市長は「昨年、全国屈指の施設を見学させていただいた。太平洋側と日本海側で同時に被災しないメリットがあり、化学物質を含む処理もお願いできることで、大きな対策になる」と期待を語った。石崎社長は「協定締結だけで済めば、それがベストだろうが、万一の場合は、いろんなことをさせていただけるだろう。責任をもってやらせていただく」などと決意を述べた。
協定では、四日市市からの応援要請があれば、アイザックグループ3社の施設、機材、物資、人員で災害廃棄物の撤去、収集、運搬、処分などを行うほか、ダンボールベッドなどの物資を市に供給するという。平時にも、両者が災害に備えた応援に関する情報を共有するとしている。
株式会社アイザックは1953年創業で設立は1963年。化学処理、焼却処理、生物処理、混練処理による産業廃棄物中間処理とダンボール製造を事業内容に掲げている。グループのアイザック・オールは管理型最終処分場を運営しており、施設の敷地面積は約83万㎡、埋立容量約1277万6400㎥という。