三重県四日市市は、市指定有形文化財の旧四郷村役場(四郷歴史資料館)がリニューアルオープンして1年になることを記念し、3月15日に記念の催しを開く。役場の建物を寄付した地元の実業家伊藤伝七と、日本の資本主義の父ともいわれる渋沢栄一とのかかわりなどを題材に講演会やシンポジウムがある。渋沢の出身地、埼玉県深谷市のイメージキャラクター「ふっかちゃん」と四日市市の「こにゅうどうくん」も登場し、来館者を迎える。
3月15日の午前9時~同11時半が午前の部で、西日野町の旧四郷村役場の現地で「『ふっかちゃん』と『こにゅうどうくん』がやってくる」がある。こにゅうどうくんが「一日村長」、ふっかちゃんが「1日館長」になり、来館者を迎え、「村民票&入館証」を発行する役場事務をお手伝いする。
ふっかちゃんは、2010年に誕生、ゆるキャラグランプリ2014で準グランプリ、2015年のゆるキャラforチルドレンで初代グランプリに選ばれた。「ウサギのようでシカのような架空の生命体」とされ、ネギの形をした角があり、服にチューリップをかたどったマークがあるなど、深谷市の特産品をモチーフにしているという。
午後の部は同日午後1時(開場は正午)~同4時で、会場は安島2丁目の市文化会館に移る。「伊藤伝七と渋沢栄一~四日市の近代化を支えた人々」と題し、四日市市立博物館の廣瀬毅副館長が講演する。その後、深谷市の小島進市長と四日市市の森智広市長との3人で「歴史を活かしたまちづくり」の題でトークセッションをする。会場では両市や、渋沢の自宅などがあった東京都北区を紹介するパネル展示や関連グッズの販売なども予定されている。
記念催事に先立ち、2月15日~3月9日の土・日曜日に旧四郷村役場で渋沢栄一や伊藤伝七にかかわるクイズを出題する。参加すると、記念バッジを1個もらえる。3月15日の文化会館でのトークセッションのあと、ふっかちゃんと、こにゅうどうくんが登場してクイズの答え合わせをする。新しいクイズも出題するといい、全問正解者には記念バッジのデザイン全10種類を1枚にまとめた「プレミアムシール」を贈呈するという。
旧四郷村役場は2024年3月23日にリニューアルオープンした。建物は現在の東洋紡株式会社につながる三重紡績を創業した10世伊藤伝七の寄付をもとに1921(大正10)年にできた。当時としては珍しい3階建ての塔屋付き建物だという。耐震工事や復原修理を加えたリニューアル後は、渋沢、伊藤の2人についての資料や展示も見られるほか、地域で保存されてきた貴重な資料も見られるという。毎週土・日の午前9時~午後4時に開館する。