三重県四日市市が2024年中の火災・救急・救助件数のまとめ(速報値)を発表した。火災発生件数は78件で前年比6件減、救急出動件数が1万7348件で同254件減、救助出動件数が191件で同71件増だった。コロナ禍は過ぎたが、救急出動件数は大きくは減っていない。
2024年1月1日~同12月31日の火災は前年の84件から減り、火災種別では「建物」の45件が最も多く、このうち住宅(共同住宅を含む)が19件で前年の15件より4件多かった。次に多かったのは枯れ草、ごみ集積場などの火災となる「その他」で24件(前年は36件)だった。
出火原因は「たばこ」が9件で1位、次いで「こんろ」「配線」「ストーブ」が並ぶ。火災による死者は前年と同じ2人で、負傷は前年より2人少ない6人。火災による損害額は未確定だが、前年の1憶6465万円と大きな変化はない見込みだという。
救急出動件数は「急病」が1万1865件(68.4%)で最も多かった。「急病」による出動件数は、新型コロナウイルスの感染が広がっていた2020年が8975件、2021年が9701件、2022年が1万1755人で、5類感染症になった2023年が1万2040人、2024年が1万1865人と、大きくは減っていない。消防本部は、はっきり原因を確定するのは難しいものの、コロナの感染が収まり、5類になったことで人の動きが活発になり、あらたな感染などが増えたことも影響しているのではないかとみている。
救助出動件数は「建物事故」が72件で、全体191件のうちの37.7%を占め、交通事故の68件を上回り、最も多かった。ほとんどは閉じ込めによる救助といい、トイレの中で倒れて助けが必要になる場合や、1人暮らしのお年寄りが家の中で倒れ、玄関に鍵がかかっているために閉じ込め状態になって救出が必要になったなどの内容だという。