三重県の健康度調査では令和2年の平均寿命は男性81.68歳、女性87.59歳です。更に大切な健康寿命は男性79.0歳、女性81.3歳であり、その差は2.68歳、6.29歳となり、以前の調査に比較すると健康寿命が伸びていることが分かります。令和6年の三重県の健康寿命は日本一位です。より多くの人が健康寿命を保ちいつまでも元気に生活したいと願っています。
健康寿命延伸のカギは「自己治癒力」だと言われています。自己治癒力は自分で病気を治す力、すなわち「免疫力」があるかどうかです。免疫力アップのためには毎日の食事が大切になります。つまり日頃から私が説明しています「三因制宜」の考えを持ち、食材を選び、食事をすることです。
「三因制宜」の中に「因人制宜」があります。食する人の体質、体調、年齢、性別に合わせて食事をすることです。体質というと遺伝的要因と環境要因(暮らし方の要因)がその人の体質をつくっていますが、論文によると体質で遺伝的な要因は20~25%で食事、運動などによる暮らし方の要因は75%~80%です。いかに生まれてからの暮らし方の要因が大きいが分かります。
そのため私たちは毎日の食生活に気を配ることが大切です。東洋医学的な体質は気血水を重んじるため、気虚(気が不足)、気滞(気の巡りが悪い)、血虚(血が不足)、於血(血の巡りが悪い)、水滞(体内に水分が滞っていす)等の体質があります。これらの体質は食事により、改善することが出来ると言われています。以下に体質改善の食材を御紹介しますのでご自分で養生してください。
気虚:山芋、もち米、海老、棗、クコ、
血虚:黒豆、黒胡麻、木耳、シジミ、クルミ
気滞:ジャスミン、ソバ、生の玉葱、陳皮、茉莉茶
水滞:ハト麦、あづき、緑豆
【毛細血管と美肌の関係】
毛細血管は体中に張り巡らし、皮膚を下層から支え、栄養を補給しています。年を取ると内皮細胞、壁細胞が崩れると末梢は破壊されます。つまり血管ゴーストになります。毛細血管が破壊すると、皮膚を支えられず、栄養も補給できなくなります。その結果しわが出てきます。毛細血管の破壊を防ぐにはシナモンを摂取しましょう。ゴースト化した毛細血管を修復する力があると言われています。シナモン量は一日1gまでにしてください。
冬のお勧め「すね肉と根野菜のスープ」
材料 2人分
牛すね肉 200g
塩 大さじ 1
A)大根 半本
人参 半本
ジャガイモ 2個
B)生姜 1片
ローリエ、黒コショウ 適量
醤油 小さじ2
〈作り方〉
- 牛肉に塩を擦り込み1時間置く
- Aの野菜は皮を剥き、一口大に乱切りし、軽く下茹でする
- 牛肉の塩を洗い熱湯で5分ほど茹でて取り出さす。鍋に牛肉、野菜を入れ、ひたひたに水を入れてBを加える。蓋をして弱火で1時間ほど煮込む。
- 牛肉を取り出し、一口大に切る。
- 「3」に醤油を入れ10分ほど煮込み、「4」の牛肉を戻し、ひと煮立ちしたら完成。最後に塩を加え味を調整する。
(鈴鹿医療科学大学 髙木久代)
※YOUよっかいち第239号(2025年1月発行紙面より)