三重県四日市市楠町の吉崎海岸で1月5日、2025年最初の早朝清掃があり、地域の人やボランティアら約150人が参加した。2006年から毎月続くこの清掃活動は、今年8月には200回目の節目を迎える予定で、特別なイベントも計画されているそうだ。
新年最初の清掃のため、いつもより1時間早い午前7時に集合し、同7時2分の日の出をみんなで迎えた。流木などを処理しやすいよう、車の搬出入口ができたそうで、翌6日からの搬出に備え、参加者たちは流木をところどころに集めて山にすることをめざして作業した。
テントでは、ぜんざい、豚汁などがふるまわれ、参加者の体と心を温めた。トラックの舞台では、地元の5歳から58歳のメンバーで活動しているという太鼓のグループ「楠っ鼓流星」の約20人が、朝鮮半島に伝わる伝統芸能の「農楽」や和太鼓の演奏を披露し、拍手を浴びた。砂浜で遊ぼうと、凧を持ってきた子どもたちもいた。
吉崎海岸は約500mに渡って続く砂浜で、2014年7月にアカウミガメの産卵が確認されたほか、ハマヒルガオ、ハマニガナ、シロチドリなどの動植物が観察されている。早朝清掃は地元の楠地区まちづくり検討委員会やNPO法人四日市ウミガメ保存会が中心になって2009年から続いており、毎月第一日曜日の朝、漂着するプラスチックごみや流木などを拾い、植物の成長を妨げないようにもしている。清掃の後には、時々の講師による自然勉強会なども開いている。2023年10月には、民間の団体などが生物多様性の保全に取り組んでいる区域として国際データベースにも登録される「自然共生サイト」にも認定された。