三重県四日市市は、産業の振興や発展に大きな功績があった産業功労者などを1月29日に市役所で表彰する。2024年度表彰となる今回、産業功労者は3人で、優秀技能者3人、雇用優良事業所2社、「男女がいきいきと働き続けられる企業」1社についても同時に表彰する。
被表彰者は森智広市長が年末の定例記者会見で発表した。市産業功労者表彰は、富士印刷株式会社の前代表取締役社長で三重県印刷工業組合前理事長の故水谷勝也さん(享年64)、株式会社スズ木代表取締役で萬古陶磁器卸商業協同組合顧問の鈴木靖治さん(62)、生川建設株式会社代表取締役で四日市商工会議所常議員・建設部会長の生川正洋さん(65)の3人。
水谷さんは長く三重県印刷工業組合理事長など役員を務め、印刷物の知的財産権の強化など業界の発展に貢献した。社業でも環境配慮型印刷物の導入などに積極的に取り組み、業界を牽引した。
鈴木さんは、萬古陶磁器業界で役員を歴任し、業界の発展に尽力、「やきものマイスター検定」を発案・企画して、全国の焼き物産地の底上げに貢献した。社業でも特色ある商品で萬古焼のブランド力向上に寄与した。
生川さんは、商工会議所活動で小規模事業者の支援に尽力、建設部会長として能登半島地震をきっかけとする視察研修会や交流会を開催し、労務や防災意識の向上に注力した。図書購入費の寄付など社会貢献でも知られる。
市優秀技能者表彰は、板金工の平井一善さん(70)、調理人の宇佐見靖夫さん(52)、美容師の藤井恵子さん(83)が選ばれた。
平井さんは建築板金工事に50年近く携わる一方、県建設労働組合四日市支部の役員として建設労働者の生活向上に貢献し、後進の指導もした。組合が行う勤労奉仕にも参加するなどしている。
宇佐見さんは、日本料理を専門に高い技能を有しているほか、ユマニテク調理製菓専門学校で教鞭をとり、人材育成に尽力している。現在は学校長で、四日市地区調理師協会の役員としても地域行事に参画するなどしている。
藤井さんは57年余の美容業界での実績をもち、とくに婚礼の花嫁化粧や着付けを得意とし、四日市美容師会の着付け研修で講師を務めるなど、同会での技術指導の基礎を作り上げた。福祉施設での訪問美容にも参加している。
市雇用優良事業所表彰では、障害者雇用で株式会社東洋が障害者雇用率5.24%で選ばれた。高年齢者雇用では株式会社大加和組が、65歳以上の高齢者雇用率50,0%で選ばれた。市「男女がいききと働き続けられる企業」表彰では、株式会社東産業が選ばれた。男性の占める割合の高い建設業界だが、全国平均を大きく上回る46%を女性が占めている。法定を上回る育児休業期間を規定しているほか、独自の育児休業取得マニュアルを整備して、男女問わず従業員が育児に取り組みやすくするなど、ワーク・ライフ・バランスを推進している。(文中の年齢は表彰式当日時点で発表、略歴は市の資料から抜粋)