書画と絵画の作品で「二人展」 四日市の野﨑さんと片岡さん 来年1月に開催

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【作品展へ向け、笑顔の野﨑さん(左)と片岡さん=四日市市三重】

 四日市市西阿倉川の野﨑恒吉さん(37)と同市三重の片岡博一さん(77)は2025年1月18、19日の2日間、あさけプラザ(同市下之宮町)第5会議室で2人の作品を展示する「博一さんとこうきちの二人展」を約4年ぶりに開く。日頃から、野崎さんは書や仏画、片岡さんは水彩画の作品作りに日々励む。二人の出会いは、野﨑さんが幼いころ、30年以上が経った今でも「おっちゃん」「こうきちくん」と呼び合う仲だ。

「お地蔵さん」の画に思いを込めて 野﨑さん

 脳性まひの障がいがある野﨑さんは、四日市市東阿倉川にある作業所「風の家」で働く。幼いころから絵画や書道をしてきたが、7年ほど前に「お地蔵さん」の陶芸作品に出会った。もともと仏画が好きだったこともあり、お地蔵さんの表情などに魅力を感じ、画を筆で描くようになった。筆を走らせるときは左手で、思いを込めて作品を仕上げる。「1%でいい 昨日の自分をこえてみせろ」「いつでも勝負する 相手は自分自身」「たまには泣いてもいいんだよ きっと楽になる」など、ほっとしたり、心を揺さぶられるメッセージもお地蔵さんの画とともに書く。これまでに、個展を開いたこともあり、毎年、カレンダーも作成し、販売しているそうだ。

 諏訪新道で毎月最終日曜日に開催されている「なんでも四日の市」にも9月から出店し、来店した人の目の前で石地蔵の作品を仕上げることも。また、「私の作品を見、ほっとする、癒されるという方をもっと増やしたい」とインスタグラムとユーチューブでも作品を紹介し、情報発信にも力を入れている。

「恒吉君の頑張りが励み」 片岡さん

 片岡さんは以前、野﨑さん宅の近くでスポーツ店を営んでいたそうで、剣道や少林寺拳法などに励む野﨑さんを見て「恒吉君は本当に頑張り屋さん」と笑顔で話す。絵を描くようになったのは6年ほど前に、大病を患ってから。それまではスキーに行くなどスポーツを楽しむことが多かった。体の負担を減らし、何かに取り組めないかと考えていたときに知り合いのすすめもあり、絵を描くように。地区市民センターで活動する絵画サークルに所属し水彩画を中心に楽しむようになった。旅行で訪れた場所や草花のスケッチを中心にしていたが、最近では世界情勢や世相への思いを込めた作品にも力を入れる。二人展でも展示予定の「ガザの悲劇」は、四日市美術展覧会で奨励賞を受賞した。

 片岡さんの作品が多くなってきたときに、「2人で作品展をしたら」と恒吉さんと母・多巳子さんからの誘いもあり、4年前の8月、シェトワ白揚文具館2階の展示スペースで「博一さんとこうきちの二人展」を開いた。それぞれの作品を見た人からは「書画と水彩画、両方を見ることができて2倍楽しかったよ」と声をかけられたという。新型コロナの影響などもあり、開催を見合わせてきたが、二人で作品展を開きたいという気持ちは衰えることはなかった。

 11月、作品展の打ち合わせのため、片岡さん宅を訪れた野﨑さん。「恒吉君の頑張りが本当に励みになる。ありがとう」と片岡さんが話すと、「おっちゃんがおってくれて本当にうれしい」と二人とも笑顔。片岡さんは奨励賞を受賞した作品、野崎さんは得意な龍と虎を描いた大きな作品も展示、来場者で希望する人には、その場で石に地蔵を描く企画もする予定だという。

 「博一さんとこうきちの二人展」は1月18日が午後1時から同5時、19日は午前10時から午後3時。入場無料。問い合わせは野﨑さんTEL090・6099・9105(午前10時から午後5時)へ。