デジタルネイティブな「Z世代」と呼ばれる若者のアイデアを詰め込んで制作した四日市市をPRするCMが、12月1日に動画サイト「YouTube」で公開された。将来の同市を担う世代に、地元への興味・関心を持ってもらおうと市市民協働安全課と市民団体「クリエイティブ・ファンクラブ」が9月に2日間の日程で開いたシナリオ制作と撮影がセットになったプログラムの集大成。小学生・中学生・高校生の3つのチームによる「超斬新」なCMに注目だ。
◆小学生が地元のCM考えてみた。「♪四日市を歌ってみた」
「四日市、四日市、大入道が怖すぎる~」。童謡「桃太郎」のメロディーに合わせて替え歌を歌う2人の小学生。1番歌詞は、四日市の象徴的な存在・日本最大の大きさを誇るからくり人形「大入道」を忖度なく「怖すぎる」と断言、「1つも魅力がありません」と手厳しいが、続く2番では四日市の魅力に言及していく構成。「歌いたい」「おにぎりが食べたい」「戦いたい」といった意見を基に、大入道の着物に似た縦縞のワンピースや、桃太郎の鉢巻など衣装も工夫し諏訪商店街での撮影に臨んだという。
【小学生チームのCM「♪四日市を歌ってみた」(https://youtu.be/G8EzDGAqO6w)】
◆中学生が地元のCM考えてみた。「突然ですがクイズです」
10人が参加した中学生チームは、人数を生かして出演者7人と撮影隊3人(ディレクター・カメラ・音声)で役割分担し、四日市出身の有名人の名前を知っているかどうかを街角インタビュー形式で質問するCMを制作した。同市出身映像クリエイターで、企画を主導するシャンソンさん(本名非公開)が、著名人の名前を扱うに当たって「失礼にならないように」とアドバイスし、メンバーはシナリオの細部を調整。1時間半をかけて、発言のタイミングや細かい表情の変化にこだわり、約30テイクに及ぶ撮影をこなした。シャンソンさんは、「ユーモアあるラストでクスッと笑える作品です」と仕上がりに太鼓判を押している。
【中学生が地元のCM考えてみた。「突然ですがクイズです」(https://youtu.be/XG3fLWlJXcs)】
◆高校生は2本のCMを制作「地元ぅー」・「四日市には愛がある」
四日市西高校の5人の高校生チームは、あふれる創造力で2本のCMを制作。手や足などに、ペンでタトゥーのように地元の名前「四日市」を書くという新しいおしゃれ・「地元ぅー」を提案するCMは、諏訪公園の噴水前で撮影した。「化粧品のCMのように本格的な映像とシュールな内容のギャップが見どころ」。色々な種類のペンで発色を試し、一番イメージに合った油性ペンを採用するなど準備にも注力したという。
【高校生が地元のCM考えてみた。「地元ぅー」(https://youtu.be/b3NyOSUsI20)】
「四日市には愛がある」は、女子高生5人の会話で始まるドラマ仕立てのCM。「私、行かなきゃ!」と1人の女子高生が駆け出すその先には……。初めての演技に挑戦した意欲作だそうだ。シャンソンさんが「走るには理由が必要」といった考え方やひらめき方を伝授、中心となるアイデアにメンバー全員で肉付けをし、完成させたシナリオだ。
【高校生が地元のCM考えてみた。「四日市には愛がある」(https://youtu.be/zAjZpDbGayM)】
撮影を終え、編集作業を一手に引き受けたシャンソンさんは、「なるべく子どもたちのイメージを形にできるように努めた。子どもたちのポテンシャルを評価してもらい、クリエイティブに挑戦できる環境づくりを進めていけたら」と語った。
◆トナリエサイネージでも放映
CMは、トナリエ四日市(四日市市安島)前のサイネージでも順次放映が決定している。12月は高校生CM「地元ぅー 編」、2025年1月に中学生CM「突然ですがクイズです 編」、2月に小学生CM「♪四日市を歌ってみた 編」、3月に高校生CM「四日市には愛がある 編」。
また、現在編集中の17人の参加者全員によるCM「4の数字のとき四日市になる 編」は、2025年にSNSなどで公開予定となっている。クリエイティブ・ファンクラブのウエブサイト(https://www.syanson.com/z)で随時情報発信している。