三重県の四日市市議会は11月27日、定例月議会初日の本会議を開き、森智広市長が3期目を迎えるにあたっての所信表明演説をした。このあと、25億2798万余円の一般会計補正予算案など議案27件、市長専決処分事項など報告2件を上程した。12月4日に代表質問、同5日から一般質問が始まる。
所信表明演説で森市長は「人口減少の流れに飲み込まれて活力を失うか、積極的なまちづくりでさらなる成長を遂げるか、本市は大きな分岐点にある。挑戦なくして成長はない。四日市のさらなる成長に向けて市民・事業者・市が一丸となって挑戦できる風土を自らが先頭に立って醸成していく」などと決意を述べた。
〇保育人材確保、小中体育館の空調整備、こどもみらいクーポン
その具体策として、「子育て・教育安心都市」をめざす施策から順に説明し、6年ぶりに発生した待機児童を解消するための保育人材の確保に取り組むこと、不登校児童生徒への支援強化、小中学校の体育館や武道場の空調整備、民間プール施設を活用した水泳指導などを挙げた。スポーツや文化の分野では「こどもみらいクーポン」事業の実施も挙げた。
〇市街地再編、新図書館、自由通路と港のにぎわい創出
産業・交流拠点都市づくりで、市街地再開発を挙げ、緑豊かな「ニワミチ」空間づくり、新図書館等拠点施設の整備、ローカル5Gや自動運転などの新技術を採り入れることにも取り組むとした。中心市街地と港をつなぐ「自由通路」の計画推進に合わせ、納屋防災緑地の整備、千歳運河周辺の親水護岸整備を促進し、にぎわい創出などに取り組むとした。
〇JR駅前の新大学、企業の立地誘致、道の駅
JR四日市駅前に、三重大学の新教育研究拠点を軸に、公立大学をはじめ複数大学の設置・協力によるシナジー効果も見据えた理系大学の設置に取り組むとした。市内では新しい産業用地が不足し、企業誘致が進んでいないとして、国道1号北勢バイパスが今年度には国道477号バイパスまでの区間が開通し、2026年度には東海環状自動車道の全線開通が予定されているため、交通の利便性が高まる区域などに企業の立地誘導を進め、防災機能の向上にも資する「道の駅」の設置にも取り組むとした。
〇地域新電力会社、消防は西南出張所
次に、環境・防災先進都市をめざすとして 環境ではカーボンニュートラルへの取り組み、地域新電力会社を設立してクリーンセンターでごみを焼却した時に出るエネルギーを公共施設の電気として利用するなどとした。防災では消防の西南出張所を整備し、救急隊の現場到着を早めるために先端技術の活用など業務の高度化を図るとした。
〇認知症の取り組み、市立病院施設更新、B-1グランプリ全国大会開催
次に健康・生活充実都市をめざすとし、楽しみながら健康づくりに親しむ機会を増やし、認知症への取り組み、市立四日市病院の施設更新について検討を進めるとした。地域力の向上では、空き家や空き地の利活用への支援、交通空白地帯でのAI活用デマンド交通の実証事業を進め、行政手続きのデジタル化や生成AIの活用で市役所の業務の効率化を図るとした。シティープロモーションに関しては、市制130周年を迎える2027年度に「B-1グランプリ全国大会」の開催を目指すこと、民間と連携した大型イベントを開催し、市内外に市をPRすることなどを挙げた。