三重県の四日市市長選は11月24日に投票、即日開票される。候補者の訴えも最終盤を迎えており、地域に入っての言葉にも熱がこもる。木曜日(21日)段階での期日前投票者数は前回2016年の市長選を上回っており、投票率の行方も注目される。
市長選に立候補しているのは、いずれも無所属で、現職の森智広さん(46)、新顔の伊藤昌志さん(54)、同じく新顔の小川政人さん(76)の3人(届け出順)。自民、国民、立憲、維新、公明の各政党が森さんを推薦している。
森さんは、産業が盛んで、市に余裕がある今だからこそ、将来の街づくりを進めるべきだとして、新図書館、新大学の設置を含む中心市街地再開発の進展を掲げるほか、全小中学校の体育館・武道場の空調整備をやり切ること、家庭環境にかかわらず、優良な芸術やスポーツに子どもたちが触れられるよう、「こどもみらいクーポン」を給付することなどを訴えている。
伊藤さんは地方交付税の不交付団体になっている四日市市の豊かさを、箱ものや巨大な工事などに費やすのではなく市民に還元すべきだとして、市民税10%減税や1人5000円のお買物券を全市民に支給することを掲げ、市長の給与も50%カットすると主張する。予防医療に力を入れることで長寿で生活しやすい市にし、住みたい町として選ばれる市づくりを進めるという。
小川さんは、立候補表明時には「青島幸雄さんのような選挙がしたい」と話していたが、告示以降はタクシー車両の選挙カーで市街地を回るなど、市民への訴えを続けている。水道管の改修や更新など、インフラ整備や災害対策にもっと財政を投入すべきだと訴え、新図書館の建設など、事業の進め方をガラス張りにして、市民に説明を尽くすべきだと主張している。
市選挙管理委員会によると、11月18日から始まった期日前投票では、木曜日段階(21日)での投票者数が13341人で、前回2016年市長選での同時期の8686人より4655人多い。一方、2023年市議選での同時期の15151人より1810人少ないという。市長選だけでの比較では期日前投票者数は前回より増えているものの、最近の全国的な傾向として、期日前投票が伸びても最終的な投票率が下がることもあり、微妙な状況だ。
四日市市長選の投票率は前回2016年が36.02%。昭和51(1976)年以降では平成12(2000)年に31.41%の記録があり、これが最も低い。
11月24日は市内61カ所の投票所で午前7時~午後8時に投票が行われ、開票は四日市ドームで午後9時30分に開始される。終了予定は午後11時30分と見込まれている。