四日市あすなろう鉄道の車両で、異例事態発生を想定した訓練が11月20日、同鉄道の内部駅であった。訓練には、四日市あすなろう鉄道の職員、四日市南警察署、四日市市南消防署の署員が参加、いざというときを想定して、対応の仕方や連携を確認した。
訓練は、2部制で行われ、走行中の車両で刃物を持った男が暴れているという状況と、車両内で不審な液体がまかれている想定で実施された。まずは、走行中の車両内に不審な男がいるのを巡回係員が発見するところから開始。男は所持しているかばんに刃物数本を隠し持ち、見つかると係員の腕を切りつけた。座席を外して盾にして対応する駅員を、犯人役の警察官が大声でどなりつけ、刃物を振り回す。通報を受けてかけつけた警察官によって、男は取り抑えられ、連行されるという流れで実施。負傷者は救急隊員によって搬送された。
後半の訓練は列車内に不審な液体がまかれ、重傷者いるという想定。四日市市南消防署の特別化学隊が化学防護服を着て、負傷者の救出や液体への対応を行った。特別化学隊は三県内では唯一、同署のみに備えられ、核や化学物質などのNBC災害に対応でき、日頃から訓練を重ねている。
訓練には、約50人が参加。終了後の講評では、四日市あすなろう鉄道の小川美和取締役兼鉄道営業部長は「異例時に備え、今後も各機関と連携し、対応力の向上に努めいきます」などと話していた。また、四日市南警察署の中西通署長は「いろんなことを想定した上で自分がどのように動くべきかが重要。イメージトレーニングをして有事に備えてほしい」と述べた。特別化学隊を備える四日市市南消防署の水野義隆署長は「関係機関が連携することが大事。今後も顔の見える連携を深めていく」と話していた。