【四日市市長選2024】現新3人が立候補、8年ぶり投票へ舌戦が火ぶた

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【四日市市長選の候補者。届出順に左から森智広さん、伊藤昌志さん、小川政人さん】

 三重県の四日市市長選は11月17日告示され、現職、新顔の3人が立候補を届け出た。さっそく人の往来がある近鉄四日市駅近くなどで第一声をあげるなど、各候補は8年ぶりの投票へ向けて、それぞれの主張を戦わせている。投票は11月24日に行われ、即日開票される。

 立候補したのは、届け出順に、現職の森智広さん(46)と、元市議の伊藤昌志さん(76)、元市議長の小川政人さん(76)の2人の新顔。いずれも無所属で、森さんは自民、国民、立憲、維新、公明の各政党の推薦を受けた。

 森さんは、午前9時から近鉄四日市駅北の「ふれあいモール」のトナリエ四日市寄りで出陣式を開いた。各政党の国会議員や知事、北勢市町の首長、四日市市の県議らがそろい立ち、それぞれが初当選以降の8年間の実績をあげ、次の4年も森さんでと訴えた。森さんは「小中学校の体育館や武道場の空調整備を次の任期でやり切る。家庭の経済環境に左右されずに、子どもたちが優良な芸術やスポーツに触れられるよう、『こどもみらいクーポン』を給付する」などと、あらたな決意を述べた。進行中の中心市街地再編については、「人口減少時代を勝ち抜けられるよう、余力のある今のうちに将来の街づくりを進め、いつまでも三重県や東海を牽引できる市であり続けたい」と訴えた。

 伊藤さんは午前10時からトナリエ四日市の前で第一声。候補者のぼりを付けた自転車を用意し、ふれあいモール側からの買い物客にあいさつを入れながら、「中心市街地の円形デッキなどに多くの市費を使っているが、完成すれば維持費もかかる。今のままでは市の将来は大変なことになる」などと、現在の市政を批判した。「私は箱ものから人へとお金の使い方を変える」と主張し、これまで掲げていた市民税5%減税については「減税10%にします」と拡大を約束。「減税すれば四日市に住みたい人が増え、結局は税収入が増えるんです」と訴えた。地域の経済を活性化させるために、市内の業者のところで使える1人5000円のお買物券給付も実現させると訴えた。

 小川さんは、出陣式などはしないという方針で、事前に報道機関に第一声に代わるメッセージを届けた。「緊縮財政よりも積極財政で災害対策を。正しい情報公開でガラス張りの市政を。保身よりも市民の利益優先を。上司は部下に守ってもらうよりも部下の育成を」などと訴えている。2000年9月の東海豪雨で富田地区と富洲原地区は十四川が氾濫して浸水被害を受けたが、小川さんはこれを市のポンプ場の管理に問題があったと提訴し、津地裁、名古屋高裁で闘った。結果は敗訴だったが、小川さんは市の幹部の説明は正しくなく、市のトップにも任命責任があると主張している。小川さんはタクシー車両の選挙カーで市街地などを走り、財政運用の考え方などについて主張して回るなどした。

選挙戦が始まり、必勝をと声をあげる支持者ら=近鉄四日市駅近く