四日市の美容師3人が世界6位入賞、パリの国際大会、初挑戦部門で日本初

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【表彰式で日の丸を手に喜ぶ3人。左から中村麻美さん、森本五月さん、窪西早紀さん=パリの国際見本市会場(提供写真)】

 パリで開かれた世界美容大会で、四日市から日本代表として出場した3人が、日本人には難しいとされてきた「プレステージ」部門に初挑戦し、日本人初の6位入賞を獲得した。「世界にはまだ上がいる」と感じる悔しさもあったが、日本の美容界にとっても歴史的な成績で、表彰式では日の丸を手に、何度もジャンプをして喜びを表した。

 受賞したのは、四日市市下之宮町の美容院「ラ・モード・シム」の中村麻美さん、森本五月さん、窪西早紀さん。大会は、パリに本部がある理容美容の世界組織「OMC」主催の世界理美容技術選手権大会。10月12日~14日、パリ15区の国際見本市会場「ポルト・ド・ヴェルサイユ」で行われ、14日の表彰式で3人は最初に呼ばれてステージに駆け上がった。

〇欧州の髪型の神髄ともいえる部門に挑戦

 3人が挑んだのは、王侯貴族の社交界を思わせるような、洋装の中でも特に高品質な世界観を求められる「プレステージ」部門。アップの髪型が基本で、ヨーロッパの髪型の神髄ともいえ、日本人が敬遠してきた部門だという。

 3人はこの部門で、舞踏会の世界のような「ガラ」、華やかな結婚式の世界観をつくる「ウェディング」の二つの髪型のデザインでそれぞれが発表。約40カ国の代表が参加する中、3人の各得点の合計で団体の順位が決まった。中村さんは「ガラ」の作品で個人の6位入賞も獲得した。

日本の「ガラ」の髪型デザイン(提供写真)

 3人の名前が印刷された表彰状を手にした3人。「メダルを取って、お世話になった人にかけてあげられたらとも思いましたが、何より、この3人で賞をもらえたことがうれしい」と中村さん。森本さんは「私はもう教える立場になりましたが、世界を見て、あらためて、もっと自分を鍛えたいと思いました」。窪西さんも「海外の本当のレベルを見て、もっといろんな世界を見てみたいと思いました」と今後の技術向上への意欲を語った。

〇いつか、この部門でもメダルを

 美容院の経営者で、大会には監督の立場で同行した内山勇一郎さんは「よくやったと思います。髪型のデザインは、とても評価が高いようでした。あとは、そのデザインをいかに美しくまとめるかの細かい技術。いつか、リベンジしたいと心に思いました」と話す。

 内山さんによると、日本人がこれまでに優勝した他部門も、挑戦を重ねた末につかんだものだという。いつか、今回の部門で日本がメダルをつかむ日が来たら、その第一歩が、今回の3人の挑戦だったことになる。