桑名や四日市でロケ 11月公開の映画「アイミタガイ」 主演の黒木華さんが三重で舞台あいさつ

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【ロケと同じシチュエーションで行われた近鉄電車でのイベント。車内で黒木さん(右)と草野監督】

 桑名市を中心に、四日市市でもロケをした映画「アイミタガイ」。10月5日、近鉄の貸し切り電車を使ったイベントと試写会が開かれ、主演の黒木華さんと監督の草野翔吾さんが登場。撮影時の思い出などを語った。

黒木さんと草部監督が「出発進行!」の合図 近鉄電車でイベント

 映画の中で登場人物が近鉄名古屋線に乗るシーンがあり、今回のイベントは撮影時と同じシチュエーションで開かれた。午後2時過ぎ、近鉄名古屋駅を黒木さんと草野監督を乗せた貸し切り電車が出発。映画の公式ホームページ用のインタビュー動画などを撮影した。

【近鉄電車内にで取材に報道陣からの取材に応じる草野監督と黒木さん】

 電車は桑名駅を通過し、塩浜駅に到着。写真撮影のため、ホームに電車を停車させていると、ホームにいた人が車内を覗き、それに気づいた黒木さんが、ホームにいた人に、笑顔で手を振っていた。折り返した電車が桑名駅に到着。ホームで黒木さんと草野監督が電車に「出発進行」の合図を出すセレモニーが行われた。

【ホームで出発進行のセレモニーも】

原作は鈴鹿市在住の作家・中條ていさんの小説

 2013年に刊行された鈴鹿市在住の作家中條ていさんの同名小説が原作。原作では舞台が特定されていないが、映画監督の故佐々部清さんが、桑名を舞台に決め足を運んだ。17年から佐々部監督作品として動き出したものの、20年3月に佐々部監督が死去、草野監督が引き継いだ。草野監督は佐々部監督の思いを汲み、撮影前に桑名市やその周辺の市町を何度も訪れたという。

映画のストーリー

 「アイミタガイ=相身互い」は誰かを思ってしたことは、巡り巡って見知らぬ誰かをも救い、やがて自分の元に返ってくるという意味を持つ。映画は、ウエディングプランナーとして働く梓(黒木華)の元に、親友の叶海(藤間爽子)が亡くなった知らせが届く。梓は交際相手の澄人(中村蒼)との結婚に踏み出せず、生前叶海とかわしていたトーク画面にメッセージを送り続ける。

 叶海の両親はある児童養護施設から娘宛てのカードを受け取る。娘の遺品のスマホには溜まっていたメッセージの存在を知らせる新たな通知も届く。金婚式を担当することになった梓は叔母の紹介でピアノ伴奏を頼みに行ったこみち(草笛光子)の家で中学時代の記憶を思い出し、大事な時に背中を押してくれたのはいつも叶海だったと思う。その瞬間読まれるはずのない送信済みのメッセージに既読がつく。

四日市でのロケはどこで?

 撮影は昨年の4月に、桑名駅や桑名市のレストラン、四日市市諏訪栄町の商店街の居酒屋「おいないさ」、四日市市高砂町の相生橋などで行われた。おいないさでは、澄人の会社の宴会シーンが撮影された。相生橋は、叶海の死を悲しむ梓にきれいな風景を見せたいと考えた澄人が、工場夜景を撮るシーンで使われた。草野監督がロケハンで四日市市内を車で見て回っていた時に、相生橋を見つけたという。

試写会の舞台あいさつ 黒木さん「安永餅の食品サンプルをもらった」に会場沸く

 電車イベントと同時進行で、イオンシネマ桑名で試写会が開かれた。上映後に黒木さんと草野監督が登壇。佐々部監督の脚本に書かれていた桑名駅が再開発で大きく変わり、草野監督がロケハンに訪れた時には、佐々部監督の脚本に書かれた、桑名駅のペデストリアンデッキがなくなっていて、呆然と立ち尽くした話が披露された。

 また黒木さんは、叶海役の藤間爽子さんから安永餅の食品サンプルをもらったと話し、会場を盛り上げた。草野監督は「落ち込んで前に進めない時にこの映画が支えになれば」と話し、黒木さんは「一人ひとりに寄り添い、前に進めない人の手を取り引っ張る映画になればうれしい」と話していた。

【イオンシネマ桑名の試写会では舞台あいさつに登壇】