「ムーミン」と「湯の花せんべい」がコラボ、三重県菰野町の日の出屋製菓から限定デザイン缶で発売

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【限定デザイン缶の「MOOMIN×湯の花せんべい」と千種啓資社長=三重県菰野町】

 三重県・湯の山温泉のお土産として親しまれている日の出屋製菓の「湯の花せんべい」が、世界で愛される「MOOMIN(ムーミン)」と出会い、9月14日、コラボ商品の限定デザイン缶「MOOMIN×湯の花せんべい」が発売された。まずは日の出屋製菓の菓子工場にある直営店やオンラインショップなどで販売を始め、順次、全国のムーミンショップやセレクトショップ、湯の山温泉の旅館、ホテルなどへ広げる計画という。

 「MOOMIN×湯の花せんべい」は、おなじみのピンクを基調にした「湯の花せんべい」の缶に、ムーミン、スノークのおじょうさん(ノンノン、フローレンの呼び名も)、ムーミンパパ、ムーミンママ、スナフキン、リトルミイなど、おなじみの仲間たちが物語性豊かに描かれている。

 缶は3種類で、それぞれに2つの絵があり、全部で6種類の絵を楽しめる。缶の中、せんべいが入っている透明の個包装にも、今回、ムーミンなどのキャラクターの絵が描かれている。

全部で6つの絵を楽しめる缶と、個包装にも描かれたキャラクターたち

 1945年にトーベ・ヤンソンさんがムーミンの最初の小説「小さなトロールと大きな洪水」を出版し、来年2025年、ムーミンは80周年の記念の年を迎えるという。一方、1957年に菰野町で創業した日の出屋製菓も来年は創業68年。北欧と日本の違いはあれ、どちらも長く愛されてきた歴史がある。千種啓資社長(44)は「昭和から続く湯の花せんべいの缶の色使いやデザインが、ムーミンの世界観と通じるところがあると感じていただいたのではと思います」と話す。

 ムーミンとの出会いは「寅さん」から、とも。湯の山温泉は第3作「男はつらいよ フーテンの寅」のロケ地で、2019年、湯の花せんべいは「寅さん」とのコラボで、寅さんの姿を描いた限定デザイン缶を販売したことがあった。この試みを、ムーミンのライセンス展開などを日本で担当している会社が注目してくれていたそうで、1年半ほど前、ムーミン80周年に向けての協力の提案があったという。

 限定缶の絵柄の決定までには、本国も含めて長いやりとりが必要だったという。湯の山温泉のロープウェーや鹿、滝などを描いた従来のデザインや色使いがムーミンの世界観に合うかなど、大まかに方針が決まったあとも、ひとつひとつの絵柄の決定までには、さらに1年ほどの打ち合わせが続き、ぎりぎりこの秋に合わせ、今回の商品が出来上がったという。

 限定デザイン缶はひとつ1296円(税込)。3缶セットのギフトボックスもある。