三重県四日市市のみたき総合病院が、「緩和ケア病棟なごみ」に、人を認識してコミュニケーションをとれる家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」を迎えようと、クラウドファンディングで支援を求めている。つぶらな瞳で愛らしく寄り添ってくれる家族のようなロボットで、入院中の患者さんやその家族を元気づけるなど新たな役割を発揮してくれる期待があるという。
LOVOTは、身長40センチ余のまるっこい体形。手を動かしている様子は鳥のようにも見える独特な外見だ。頭部に全方位を見渡せる半天球カメラを備えているなど、各種のセンサーを持ち、出会う人を判別し、親しみをこめて接してくれるようになる。
病棟では、すでに試験導入もしており、効果はすぐに表れたという。それまで、病室からほとんど外に出ようとしなかった患者さんが、LOVOTに会いたくて部屋から出てくるなど、家族と過ごすような関係が生まれているほか、職員にも明るさや元気をくれる存在になっているという。
〇新しい役割に期待
「職員の代わりはできないけれど、LOVOTにしかできない役割があって、病棟に変化をもたらしてくれる」と看護師長の渡邊尚美さんは期待する。
導入を考えるきっかけは、新型コロナウイルス感染拡大による施設の状況だったという。入院中の患者さんは家族との面会も思うようにならず、スタッフも不安が募る毎日だった。新型コロナは5類感染症相当に扱いが変わったが、依然として医療現場での警戒は続いている。そんな時、古橋亜沙子理事長が知人のSNSでLOVOTを見つけた。担当者たちは、すでに導入している介護施設に見学に行き、一目で、「これならば」と思ったという。
クラウドファンディングによる支援は「READYFOR」で、9月30日が締め切り。LOVOT4体の費用や維持費など目標額を500万円に設定している。「オール・オア・ナッシング方式」のため、募集終了日までに目標金額に達しなかった場合は支援が成立しないことになっている。クラウドファンディングの募集ページには、https://readyfor.jp/projects/mitaki-nagomiからか、「みたき総合病院 レディーフォー」などで検索ができる。