新図書館に関する補正予算案は総務委員会で採決せず、17日の予算委員会全体会でさらに論議へ

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【あらたな新図書館の候補地が含まれる市役所北の様子=四日市市諏訪町】

 三重県四日市市議会の総務常任委員会(予算、決算分科会)は9月3日、市から提案された新図書館のあらたな候補地がある市役所北での調査事業費約450万円などについて、同委員会としては採決をせず、予算常任委員会全体会で議員全員でのさらなる議論が必要と決めた。全大会は17日に開かれる予定。

 総務常任委員会での新図書館に関する審議は、政策推進部長の出席を待っての再開で、あらたな候補地となった「三重機械鐵工駐車場周辺」での用地取得が本当に可能なのかなどの質疑が続いた。近鉄四日市駅東の旧スターアイランド跡地での計画断念のショックが後を引いており、委員からは慎重な意見が多かった。

 委員の「本当に用地を買えるのか、難しい場合どうするのか」との質問に、市は「基本は用地取得。やむを得ず、取得できない場合は、借地も含めて考えたい」と答えた。提出した補正予算案は、あくまでも土地を取得するために必要な用地測量などを行うものだとしたうえで、借地には普通借地と定期借地があり、今回は、借地の更新を地主が拒否した場合でも、買い取り請求権を借主側から行使できるなど、借り手側に不利でない普通借地を考えていると説明した。

 市は「大きな所有者である民間会社の社長とは数度の交渉をし、会社の意向についても確認を取りながら議会での説明をしている。先方からは公共事業には協力したいとの考えを伺っている」などと状況を説明した。「土地の値段が幾らなのか、はっきりしなければ交渉ができない。そのために必要な測量などを行うのがこの事業費だ」と説明した。

 委員からは、8月の議員説明会で最終判断に残った3候補地のうちの残りふたつ、「市役所東」と「じばさん」についての市の考えを問う発言があった。市は「最悪の場合を考えてほかも検討してはということだが、土地は市の所有でもあり、必要なら方向転回はすぐにできると思っている」などと答えた。

 委員からは、あらたな候補地も「三重機械鐵工駐車場周辺」にほぼ決まった状態で議会に説明されており、旧スターアイランド跡地での計画では、「建設費が幾らになるのか」と何度も議会で質問が出ていたのに、「交渉中なので情報を公表できない」と、説明がないまま、結局、計画が頓挫したとして、「市民にもっと詳しく説明をして理解を得られる新図書館計画にすべきだ」などとする意見も出された。

 審議の中で、総務常任委員会としての採決をしたうえで全体会に持っていくべきだとする意見もり、一時、意見の対立もあった。最終的に、採決をせずに全体会を迎える方向で決着した。