特殊詐欺見抜き300万円の被害防ぐ、桑名三重信用金庫羽津支店と職員に四日市北署が感謝状

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【感謝状を手にする石崎莉那さんと吉﨑文隆支店長。左は林忠雄署長=四日市北署】

 三重県警四日市北署は8月26日、特殊詐欺の被害を防いだとして、桑名三重信用金庫羽津支店と職員の石崎莉那さん(31)に感謝状を贈った。定期預金を解約したいという女性とのやりとりの内容から詐欺を疑い、署に通報し、300万円の被害を未然に防いだ。

 この日、感謝状の贈呈式が署であり、石崎さんと吉﨑文隆支店長(48)に林忠雄署長から感謝状が手渡された。林署長は「警察も被害をなくすための広報活動に力を入れていますが、なかなか歯止めがかからい現状もあり、最後の砦ともいえる窓口で防いでいただき、感謝します」とお礼を述べた。

林忠雄署長から感謝状を受ける石崎莉那さんと吉﨑文隆支店長(左)

 石崎さんらの話では、8月1日午後、70歳代の女性が定期預金を解約したいと申し出て、石崎さんが対応した。息子を名乗る男が女性の携帯電話にかけてきて、トラブルの示談に300万円が必要などと言ってきたという。石崎さんは、よく知っている女性だったので、状況を詳しく尋ね、男が携帯電話をなくして番号が変わったと言っているなど、特殊詐欺によくある内容のため不審に思った。話を続けていると、男との電話はつながったまま店に来たといい、石崎さんは上司らに相談し、支店から北署に連絡をしてもらったという。

 石崎さんは「毎日、できるだけお客様に声をかけるよう努めてきましたが、実際に被害を防いだのは今回が初めてで、ほっとしています。しっかり被害を止めることができ、うれしいです」と話した。吉﨑支店長は「ふだんから支店でも注意を求めてきたことですが、実際にお客様の大事なお金を守れてよかったです。これからも、みんなで注意していこうと思います」と話していた。

 林署長によると、同署管内だけでも、今年は7月までに22件、約2300万円の特殊詐欺の被害があり、SNSを利用した投資ロマンス詐欺も増えていて、同月までで28件、3億円を超える被害がでているという。