大正3年(1914年)創業でみそ、しょうゆ、たれの製造と販売をする「伊勢藏」(三重県四日市市泊町)は、製造工程で小麦を使わないグルテンフリーの「だいず醤油」を9月から販売する。
木桶での製造を続ける同社の五代目・式井一博社長(44)によると、商品の構想は数年前からあった。「グルテンフリー」のキーワードが注目されるようになり、伝統ある同社にも「グルテンフリーのしょうゆをぜひ」や「作らないのですか」などと、お客や販売店から要望が出ていた。
小麦を使わないことで製造工程は変わる。麹(こうじ)を増やすのに使用した大豆の粉は、粒子の大きさが小麦と違うため、これまでとは違う工夫が必要だった。その中で、初めての挑戦を支えたのは創業以来、代々受け継がれてきた匠の技だった。
木桶を使ったしょうゆは、全国のしょうゆ生産量の1%ほど。その中でも、「木桶を使ったグルテンフリーのしょうゆ」となれば、さらに希少なものとなる。事前に予測ができないことが起こる中、現場でしか分からないこともあったという。製造工程の様々な課題と向き合い、仕込みを始めてから2年、「だいず醤油」は完成したそうだ。
サイズは、200ミリリットル(640円)と900ミリリットル(1500円)の2種類。式井社長は「うまみがたくさんの味わい深い品。香りも楽しんでいただければ」と話していた。「だいず醤油」は同社の店舗(午前9時から午後6時営業、日祝定休日)、同社のホームページ (isegura.com)から購入できる。