三重県四日市市は8月21日、2023年度決算案を発表した。一般会計は新型コロナウイルス感染症の5類移行によって歳入歳出双方の関連予算が縮小したことなどで決算額の規模は前年比減となったが、実質収支額は約40.7億円で、黒字になった。8月28日開会の市議会で審議される。
市の説明では、歳入総額は約1414億円(前年度比3.2%減)、歳出総額は約1346億円(3.0%減)。決算額の歳入から歳出を差し引いた形式収支額から翌年度へ繰り越すべき財源を差し引いた実質収支額は約40.7億円の黒字となった。黒字の額としては前年度より約6億円少ない。
歳入については、新型コロナウイルスワクチンに関する補助金などの減少で、国庫支出金が約247,0億円(約29.1億円減)となった。市税は企業の設備投資が進んだことなどで約738.7億円(約17.5億円増)となり、700億円を超える高い水準を保っているとしている。
歳出については、民生費が38.9%で目的別構成比では最も大きかった。電力・ガス・食料品などの価格高騰への給付金、子育て世代への応援給付金、後期高齢者医療特別会計繰出金などの増加があったという。次に構成比が高い土木費は16.5%で、中央通り再編事業費など中心市街地活性化のための事業費が増えたことや道路維持修繕費が増えたという。
一方、特別会計は全体の歳出決算額は約891億円(約98億円増)となり、特に競輪事業特別会計で年間総車券売上高が過去最高を記録したという。企業会計では水道、下水道が損益計算で黒字だった一方、高度医療提供のための材料費や労務単価の上昇などで、市立四日市病院事業は純損失約11.4億円(約2.5億円減)の赤字だった。
市債残高は一般会計、特別会計、企業会計のいずれも減少し、市全体の市債残高は約1323.6億円(約54.5億円減)となり、2004年度の約2480億円をピークに年々減少しているという。市の基金の年度末残高も一般会計、特別会計の基金全体で約629億円(約53.9億円増)で、公共用地を先行取得するための土地開発基金の定額運用残高も加えると基金総額は640.5億円になっているという。