登山者がクマに襲われ負傷 「クマアラート警報」初の発表 三重県

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【クマアラート(警報)を知らせる三重県のホームページ】

 三重県は、8月14日の夕方、熊野古道ツヅラト峠登り口付近で登山者がクマに襲われ負傷する事例が発生したことを受け、8月9日から運用を開始した「クマアラート」を初めて発表した。出没件数や人身被害の発生状況に応じて、「注意報」と「警報」があり、今回に発表されたのは「警報」で、対象地域は大紀町、紀北町で期間は8月15日から10月14日の2か月間。

 県内のツキノワグマの出没件数は過去最多であった昨年度の40件を大幅に上回り、これまでに70件にせまる情報が8月14日までにあった。県では、寄せられた目撃情報などの位置を記した「ツキノワグマ出没情報マップ」もホームページ上で、公開している。

 クマアラートはの発表基準は「注意報」が、各事務所単位で出没件数が過去5年間の件数の平均値で2倍を超えたときや、クマの出没によって人身被害の発生が懸念される場合。「警報」は原則として市町単位で発表され、クマによる人身被害が発生したときとなっている。

 「警報」の場合は、市町、猟友会と連携したパトロール体制の強化、被害防止のための捕獲や駆除の実施、捕獲檻の市町への貸し出しが主な対応だ。

 四日市市内では出没情報はないものの、近隣のいなべ市、鈴鹿市では「クマらしき動物」を目撃したという情報が「ツキノワグマ出没情報マップ」に記されている。ツキノワグマは、10月から12月は冬眠前で食欲が増すため、エサを求めて活発に行動し、県内のどの地域でもツキノワグマに遭遇する可能性があるという。