三重県四日市市にある鳥出神社の鯨船行事で、8月14日に町練りが、同15日には神社境内で本練りがあった。昨年は、台風接近のために本練りが中止となったが、今年は多くの見物客が訪れる中、絢爛豪華な装飾の山車や迫力ある動きが披露された。
鯨船は江戸時代の捕鯨を模したとされる。国の重要無形民俗文化財でユネスコの無形文化遺産に指定された「山・鉾・屋台行事」のひとつでもある富田地区の「鳥出神社の鯨船行事」は、鯨船山車と、鯨との攻防が繰り広げられる勇壮な行事だ。
見学席が用意された鳥出神社境内では、本練りの開始前から楽しみにしている見学人の姿も。北島組「神社丸」の演技が始まると、カメラで撮影したり、スマートフォンで動画を撮る人もいた。
富田鯨船保存会連合会では学校で行事の魅力を伝える授業をするなど、伝統を守るため様々な取り組みをしている。本練は新型コロナ感染拡大の影響や昨年の台風接近などで出来ない年が続き、今年は境内にはその分の熱気が感じられた。同会の加藤正彦会長は「皆さん、力があり余っています。境内で、本練りが出来て本当に盛り上がっています」と笑顔で話していた。