【医療ナビ】突発性難聴 早期治療が要 聴力戻らない人も

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【炎症する場所を説明する足立理事長=四日市市羽津山町で】

 突然音が聞こえにくくなる「突発性難聴」。原因は不明で、耳の閉塞感や耳鳴り、めまいが伴うこともある。「治療が遅れると聴力が元に戻らないこともあり、早期治療が要」と足立耳鼻咽喉科(四日市市羽津山町)の足立光朗理事長は話す。

 症状は、内耳にある蝸牛に炎症が起こり難聴を引き起こすが、炎症を起こす理由ははっきりせず、聴覚神経への血流障害やウイルスによる障害、ストレスが原因と考えられる。

 診断は鼓膜を医師が確認。耳垢が溜まっていたり、中耳に水や膿が溜まり中耳炎と診断される人もいる。聴力検査を行い、他の難聴を伴う病気と見分け、診断。治療はステロイドの服用で、血流をよくする注射をすることも。難聴が中等以上の場合や重度のめまいや糖尿病、B型肝炎などの合併症がある場合は入院して治療することもある。

 20代から50代の働き盛りの世代に多く、症状は片耳だけなので、聞こえる方の耳で聞き、病院に行くのが遅れる人もいる。発症後1週間以内、遅くとも2週間以内に治療を開始すれば聴力が回復する可能性もあるが、遅れると聴力が回復しても元に戻り切らなかったり、全く戻らない人もいる。難聴を繰りかえす人は、脳の腫瘍やメニエール病など他の病気が潜んでいることもあるという。

 足立理事長は「1週間の治療の差で、その後の運命が変わるので気づいたらすぐに受診してほしい」と語った。