三重県で「クマアラート」を導入 ツキノワグマ出没件数過去最多 注意報と警報の2段階

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【7月18日に名張市内で行われた合同対応訓練の様子】

 三重県は、ツキノワグマの出没件数が過去最多であった昨年度の40件を大幅に上回る状況であることから、出没件数や人身被害の発生状況に応じて、「注意報」と「警報」で、注意を促すための「クマアラート」を導入した。県内の農林事務所、農林水産事務所の管轄7地域に分けて発表され、8月9日から運用が始まった。

 発表基準は「注意報」が、各事務所単位で出没件数が過去5年間の件数の平均値で2倍を超えたときや、クマの出没によって人身被害の発生が懸念される場合。「警報」は原則として市町単位で発表され、クマによる人身被害が発生したときとなっている。発表期間は2か月間。

 発表時の対応としては、「注意報」の場合は、ホームページや防災無線などによる注意喚起の徹底、アウトドア施設などへの注意看板の掲示などが中心となる。「警報」の場合は、市町、猟友会と連携したパトロール体制の強化、被害防止のための捕獲や駆除の実施、捕獲檻の市町への貸し出しが主な対応だ。

 三重県内では、8月8日時点で63件の出没件数が発表されている。四日市市内では出没情報はないものの、近隣のいなべ市、鈴鹿市では「クマらしき動物」を目撃したという情報が寄せられているという。県のホームページによると、10月から12月は冬眠前でクマの食欲が増すため、エサを求めて活発に行動するそうで、県内のどの地域でもツキノワグマに遭遇する可能性があるそうだ。

 県では、寄せられた目撃情報などの位置を公開した「ツキノワグマ出没情報マップ」を公式ホームページに掲載。また、ツキノワグマが出没した際の関係機関の連携強化と対応能力の向上を目的に対応合同訓練を実施、市街地に出没したツキノワグマが人にけがを負わせ逃走したという想定で出没時の対応を警察や猟友会、自治会などが、各市町合同で行っている。

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