圧倒的強さで金メダル、レスリング藤波朱理選手を母校のパブリックビューイングで応援

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【藤波朱理選手の決勝戦にスティックバルーンなどで応援する人たち=四日市市朝明町】

 パリ五輪で三重県四日市市出身の藤波朱理選手が8月9日未明、レスリング女子53キロ級の決勝戦に登場し、母校の下野小学校でパブリックビューイングによる応援があった。藤波選手は圧倒的な強さで10ポイントを先取するテクニカルスぺリオリティーで勝利し、子どものころからの夢、「五輪で金メダル」を実現させた。3月のひじの手術を乗り越えての優勝で、友人や地域の人たちは心からの祝福を画面に送った。

 パブリックビューイングは四日市市と市スポーツ協会の共催で市総合会館を会場に開いてきたが、「藤波朱理選手の応援はぜひ下野小学校で」が約1年前からの地元の願いだったといい、自治会や地元企業が協力して実現させた。

 体育館には220人分のいすを用意していたが足りず、追加でいすを並べ、さらに立ち見も出て、約350人でいっぱいになった。試合開始前には大勢の人が日の丸に応援メッセージを書き込み、勝利を決めたあとには、パリの会場にいる家族と会場をテレビ電話で結んでお祝いを伝えるなど、地元の人たちならではの演出もあった。

体育館がいっぱいになった下野小学校でのパブリックビューイング

 決勝戦に藤波選手が登場すると、会場は大きな声援が沸き起こり、スティックバルーンが打ち鳴らされた。エクアドルのルシアジャミレス・ジェペスグスマン選手との対戦は、藤波選手が得意とする高速タックルが決まりに決まり、3分間の第2ピリオドを2分以上残した時点で10ポイントを奪う圧勝。同時に連勝記録を137にまで伸ばした。

 優勝を決めると、藤波選手は父でコーチの俊一さんのもとに走って抱きつき、ふたりで日の丸を手にマットの上を走った。応援していたひとたちは、その姿にも大きな声援を贈った。

父でコーチの俊一さんと日の丸を手に走る藤波朱理選手

 会場には下野小学校や西朝明中学校の同級生もかけつけた。幼稚園から中学まで同じで、今も藤波選手が帰郷すると付き合いがあるという山口亜香音さん(21)は「勝った瞬間、涙がこみあげました。最高の試合を見せてもらいました。ありがとうと伝えたいです。帰ってきたら、一緒においしいものを食べに行きたいです」と話した

 藤波選手の母千夏さんの中学時代の同級生約15人は、藤波選手の名前が入ったおそろいのTシャツを着て応援した。山路裕之さん(55)は「本当にすごい試合。お疲れさまでした。てっぺんの風景を見せてくれてありがとうと言いたいです」と話していた。

声援を贈る同級生たち