もしバナゲームで考えよう 四日市キリスト教会で体験会 参加者募集中

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【もしバナゲームをする参加者】

 もし自分が半年の命だとしたらー。人生の最期に自分の価値観を考え、一緒にプレーする人と語り合うように設計されている「もしバナゲーム」の体験会が、9月8日(日)午後1時半から四日市キリスト教会(四日市市室山町)で開かれる。参加無料。

 もしバナゲームは、米国のカードゲーム「Coda Alliance」という団体の作成・販売するカードゲーム「GO WISH」がベース。日本版は千葉県の亀田総合病院で緩和ケアや地域・在宅医療に取り組む医師が立ち上げた一般社団法人「iACP」が開発を手掛けた。米国版を忠実に日本語へ翻訳、国内用に独自のルールを加えた。気軽に、もしものことを考えたり話し合うのが狙いだ。

【もしバナゲームルール】  

 35枚のカードに、「どのようにケアして欲しいか」など、余命僅かな時に望むことが書かれている。最初に5枚のカードが配られ、残りのカードから5枚を選び、言葉が見えるように置く。順番に手持のカードと置かれたカードの内容を見比べ、自分にとってより必要なカードを選び交換。欲しいカードが無ければパスできるが、全員がパスしたら、置かれたカードを5枚とも別のカードにする。全員が交換するカードが無くなったら、手元に残した5枚のカードから、特に大切な3枚を選び、選んだ理由を参加者同士で話しあう。相手の話は否定せず、その場で聞いた話は口外しない。

【筆者も体験】

 7月末、同教会の福祉ボランティア「ふくふく会」のスタッフの体験会に参加した。配られたカードの「私が望む形で治療やケアをしてもらえる」と書かれたカードを手元に残すと決めた。他の参加者のカードの取捨選択を見て、考えが変わる。「私が望む形にこだわって、苦痛が増すことも考えられる」と思い、そのカードを捨てた。

 迷ったのは「家族に負担をかけない」と書かれたカード。もしその時自分の娘が産後直後で大変だったら、「負担はかけられない」と思って残した。しかしそのカードを手放した人は「死ぬときくらい、家族に迷惑かけてもいい」と話す。「家族に辛い思いをしてほしくない。最後は自分より家族を大切にしたい」と涙ぐむ人もいた。話を聞くうち「何が負担かは、私ではなく、家族が判断すること」と思った。

 最後に私が選んだのは「人生の最期を一人で過ごさない」「不安がない」「良い人生だったと思える」の3枚だった。自分の最期を真剣に考えたのは、初めてで有意義な時間だった。

 体験会を企画した同教会の吉川真理子さんは「もしもの時のことは、縁起でもないけれど、考えておくことがとても大切。重くなりがちなテーマを楽な気持ちで整理して、周りの人に伝えられるのが、このゲームの魅力」と語った。

体験会は参加無料、要予約。ゲームの詳しい説明はこちら(https://www.smartkaigo.jp/contents/moshibana.php)。

 申し込みは、TEL059・322・2795。または申込フォーム(https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf6m_WH4JuOkNA_weODoe_HVQE0oQ7NBEPntsgupOUIergIhw/viewform)で受け付ける。