昆虫への情熱、切り絵にも 第一学院四日市キャンパスの橋倉さん

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【出来上がった作品を手にする橋倉さん=四日市市鵜の森】

 第一学院高等学校四日市キャンパス(四日市市鵜の森)の橋倉僚さん(17)は幼いころから大の昆虫好き、「歩く図鑑」と言われるほどだ。小学2年のころ、同市松本の絵本の専門店「メリーゴーランド」の「遊美術」で学んだ切り絵で、昆虫を主なモチーフにこれまでに数百近い作品を作ってきたという。

 3歳のころには「生き物好き」の一面を見せていた。メリーゴーランドの「遊美術」で切り絵を知り、初めて作ったのは「かっこいいと思った」とガの仲間ベニスズメ。作品作りには、図鑑の写真や実物を見てはさみを動かす。時には何も見ずに作品を作り上げることも。これまでに見て、感じてきた昆虫たちの体を思い描きながら、細かい突起なども表現する。

【ノコギリクワガタを見ながら作品を作る橋倉さん=四日市市鵜の森】

 友人や家族には切り絵を披露してきたが、たくさんの人の前でそのスキルを生かすときがきた。昨年10月、四日市祭りに合わせ、同高は四日市一番街商店街を会場にイベント「高校生と楽しむあきまつり」を企画した。イベントには6つの催しがあり、その中で「切り絵の森」と題した内容で、橋倉さんに「講師」としての役目が与えられた。かねてから、昆虫の切り絵が得意なことを知っていた同高関係者からの提案に「とにかく初めてだから分からない」と思いつつ当日を迎えた。次々と来る参加者に「当日は精一杯」と振り返るが、作品が完成したときの笑顔が印象に残った。後日、同高の講師から参加者が喜んでいたことを聞き、やりがいを感じた。

 また、筆などを使って点で絵を描く点描も得意で、昨年、同高の文化祭でカラスアゲハを描いた作品が最優秀賞に。「もっとグラデーションが上手くなりたい」と点描の腕前上達への意欲も見せる。

 昆虫を見つけたら家族や友人から「この虫は何?」と聞かれることが多く、「歩く図鑑」として頼りにされる。将来は昆虫館のスタッフなどが夢。「見ていても飽きがこない」と魅力を語る。初めて見たときに一番感動したのはミヤマクワガタ。今年もハンミョウ、コシボソヤンマ、ギフチョウなどに出会ってきた。

 地球上の生物の中でも昆虫は最も多く、種数は100万種ともいわれ、全生物の約6割を占める。「一生のうちに全種類を見つけるのは無理」と言いながらも、昆虫の宝庫ともいわれるコスタリカには「ぜひいってみたいですね」と笑顔。同高では、「地域の自然」などをテーマにした「第2回ネイチャー甲子園」に挑戦中。見つけた動物の写真を撮影し投稿、順位を競うもので、昆虫探しはまさに「ウイニングショット」の橋倉さん、「見つけた昆虫でスマホの画像はいっぱいです」と上位入賞を目指し、仲間と奮闘しているそうだ。