労働力や人材の不足が国内で続くなか、中小企業経営と外国人の人材雇用などを考えるイベントが7月17日、四日市商工会議所であり、オンラインを含め約70人が参加した。外国人の定住、地域住民との融和など課題をどう解決するか、企業の実際の事例なども参考に、職場で外国人とどう向き合うかを考えた。
イベントは「外国人材とともに歩む~これからの中小企業経営を考える~」で、四日市市が主催し、公益財団法人四日市市文化まちづくり財団四日市国際交流センターなどが企画した。企業の人材不足は、外国人の能力や労働力に頼らざるを得ない状況になりつつあるとされ、国や企業は外国人が安心して日本で働ける環境を整えることが求められている。イベントは、将来、外国人に選ばれる企業になるためには何が必要なのかを考えるきっかけにしてもらおうと企画された。
森智広市長は開会あいさつで、「市の人口の4%に相当する約12000人が外国籍の方で、すでに25人に1人が外国人。四日市は三重の経済を支える都市であり続ける必要があり、外国人にとっても住みやすく働きやすい環境をつくる必要がある」などと話した。
経団連に勤め、その後、研究の道に進んだ一般財団法人ダイバーシティー研究所参与の井上洋さんが「人材不足にどう立ち向かうか~地域企業に外国人材を活用する~」と題して講演。批判も強かった「技能実習生」制度が今後変わっていくことに合わせ、日本語教育を含め、きめ細かく外国人の求めに応じられる社会づくりが必要になることを解説した。
講演のあと、外国人の雇用を進めているサカエゴム株式会社(四日市市広永町)製造部製造課課長の下村健人さん、有限会社トーアエンジニアリング(同市海山道町)代表取締役の山本直史さんが、それぞれ会社の取り組みを紹介。コミュニケーションを深める努力や、寮や生活用品を会社が用意し、すぐに安心して働ける環境をつくっていること、宗教や習慣など日本人が軽く考えてしまうことにも配慮する努力などが語られた。閉会後は、井上さんや企業から出席した講師らとの個別相談会が開かれた。