三重県の四日市市消防本部は、マイナンバーカードの本人情報を活用した救急業務の実証事業を7月26日から始める。救急の現場で傷病者がマイナンバーカードを持っている場合に、通院している医療機関や服薬の状況などを情報として把握し、適切な病院へ搬送したり、病院での受け入れ態勢をつくりやすくしたりするねらい。事業は9月25日まで行うという。
森智広市長が定例記者会見で説明した。総務省消防庁と全国67消防本部と660の救急隊が連携して行うという。四日市市消防本部の参加は全国13番目で、三重県内では6月に始めている鈴鹿市に次いで2番目、津市も8月ごろに始める予定という。
救急搬送でこの取り組みを生かすためには、個人がマイナンバーカード保険証の利用登録をし、マイナンバーカードを携帯していることが必要。それにより、何らかの理由で傷病者となり、意識不明に陥った場合でも、救急隊がマイナンバーカードから情報を把握できるという。搬送先の病院の選定や搬送中の応急処置に役立つほか、搬送先になる医療機関では、治療に対する傷病者に合わせた準備ができるという。
市消防本部では、9月25日までの実証事業期間中は、全救急隊がこの取り組みに参加する方針。期間中の対応状況から、緊急時のマイナンバーカードの効果などが分析され、今後の施策に活用されるという。